来るぞ来るぞと言われていたWindows XPのサポート終了の正式アナウンス。本当にサポートが切れてしまったという事実に、ようやく我に返りつつあるユーザーもまだまだたくさん居るはずだ。そんなみなさんに、XP延命ももはや限界であることを理解してもらうための本企画。今回はノートPC編をお届けしようと思う。確かにWindows XPは良いOSではあったが、最新のノートPCへ乗り換えてみれば、なぜこうもしつこく買い換えを即されるのかご理解いただけるだろう。それでは3年前を振り返りつつ、3年前のノートPCと最新ノートPCとでは、何が違うのか改めて見ていこう。

ノートPCは分岐化が促進

3年前のノートPC事情でのトピックスといえば、Ultrabookの登場だろう。ポート類までミニマム化された徹底的な薄型、軽量のスリムスタイルが印象的で、そのデザインは現在に至るまで影響を与えている。Ultrabookの定義はいくつかあるが、当初はノートPCの基本性能だけではなく、高い応答性能と軽量デザインを兼ね備えていることが必要とされていた。

これに加えて現在のUltrabookには、“タブレット機器と同等の性能や機能”も求められている。タッチ対応ディスプレイの搭載は当然、キーボード分離型などを含めて、様々なデザインの製品へと結実し、進化を続けているのだ。

特にタッチ対応やタブレットとしても使えるタイプは、「2in1」とも呼ばれている。この2in1とは、「1.タブレットとしても」「2.ノートPCとしても」使えるUltrabookという意味だ。スペック的な特長としては超低電圧版CPUとSSDの組み合わせがほとんどで、グラフィックスも当然オンコアのインテルHDシリーズがメインとなる。ノートPCに求めるデザインや使い方がUltrabookに当てはまる人には良いが、ユーザー側の意図はまったくと言って良いほど入り込む隙は無い。筆者も見た目よりも中身だろうと思うタイプなので、この手の製品に食指は動かないが、それはそれで別の道もまだまだ残されている。 Ultrabookが進化を続けている一方で、これまで通りのスタンダードなノートPCも人気は落ちていない。特に、CPUやストレージ、グラフィックスが選べるBTOメーカーの製品は、ユーザーの熱い支持を集めているのだ。とはいえ、ノートPCという存在自体に筐体による制約があるため、デスクトップPCほど選択できる幅があるわけではない。最新テクノロジーを如何に組み合わせるかという部分で、自分なりの特長を持たせるのが最近のトレンドなのだ。

買い替えに最適ハイコストパフォーマンスモデル
マウスコンピューター G-Tune 「NEXTGEAR-NOTE i420SA1」

簡易スペック表

CPU インテル Corei7-4710MQ ※期間限定BTO
メモリ 16GB
ストレージ プライマリ 128GB SSD(mSATA)/セカンダリ 1TB HDD
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 860M
OS Windows 8.1 64bit
価格 13万9,800円~(税別)

快適さを上げる工夫がキモ

PCの挙動を体感的にアップさせてくれる最新パーツといえば、やはりSSDだろう。それまで3Gb/s規格のインターフェース速度が主流だったが、現在では6Gb/sがほとんどとなり、体感速度も大きく向上。さらにまだ高価ではあるが500GB、1TBといった大容量のタイプも出ている点も見逃せない。容量が心許ないのが、2、3年前までのSSDの唯一の欠点だったが、現在ではそれをほとんど感じずに済むのである。

また、筐体に制約があるノートPCにおいても、「mSATA」規格の登場によって、ストレージのためのスペース確保にはかなりのバリエーションができた。ちなみにmSATAはマザーボード上にあるコネクタへ直接ストレージなどを差し込むことで、給電とアクセス両方を行う仕組みのこと。もともと薄型コンパクトが特長のSSDではあるが、mSATA対応製品になると更に小さく薄くできるメリットもある。

SSDに関しては、こうした特色を活かしたRAID構成も可能となる。例えばmSATAを2ポート使ってSSDでRAIDを組む、あるいは従来からあるストレージスペースに大容量HDDを搭載してmSATAと合わせて運用するといったことも行える。これまでデスクトップPCでしかできなかった、SSDとHDDの良いとこ取りの運用が、手軽にノートPCでも出来てしまうというわけだ。言い換えれば、今時のノートPCのストレージはデスクトップPC並に自由自在なカスタマイズが可能なのである。

さらに大きく変わったのはディスプレイの解像度だろう。14インチ以上ではフルHD(1,920×1,080ドット)が当たり前になりつつあり、それ以下のサイズでも同規格を採用しているものも増えている。ノートPCのディスプレイは買い換えが効かないので、なるべくフルHDタイプを選んでおきたいところだ。また、冒頭でもご紹介したようにタッチ対応ディスプレイも多くはなっているが、人気は二分されているといったところだろう。タブレットではタッチ操作が一般化しているが、ノートPCでもというユーザーはなかなか増えない。これは筆者の考えだが、日本人は物をキレイに扱う人種なので、画面に指紋がつくのを嫌うのではないだろうか?(筆者のディスプレイは汚いが……)

SSDまたはmSATA SSDやフルHDディスプレイなど、3年前で最上位シリーズでしか手に入らなかった仕様が手に届くところまで来ているのが、現在のノートPCだ