TSUKUMO(ツクモ)のBTOノートPC「eX.computer note」に、15.6型フルHD液晶ディスプレイを搭載する「N1540J」シリーズが新登場した。TSUKUMOのノートPCではN156Jシリーズが終売となってしばらく、外部グラフィックを搭載したフルHD液晶の製品はゲーマー向けの「G-GEAR note」のみとなっていたが、N1540Jシリーズが登場したことで、再び幅広いユーザーに適したハイスペックノートが選択できるようになった。

eX.computer noteのフルHDモデル「N1540J」シリーズ

N1540Jシリーズはゲーマー向けモデルではないものの、CPU内蔵グラフィックス機能以外に、グラフィックスチップとしてGeForce GT 745Mを搭載しており、インターネットや文書編集のみならず、動画や画像編集も快適に利用できるパワーを有していると考えられる。使い勝手、性能の両面で実力を検証してみよう。

15.6インチ・ノングレアタイプのフルHD液晶を搭載

冒頭でも紹介した通り、eX.computer note N1540JシリーズではフルHD(1920×1080ドット)液晶ディスプレイの搭載が特徴の一つとなっている。最近の15型クラスのノートPCは1366×768ドットかフルHDかどちらかの解像度のディスプレイを搭載しており、価格と用途のバランスによって、いずれかを選択することになるが、やはり一度に表示できる情報量の多いフルHDが主流になりつつある。

そのため、最近は比較的低価格の15.6型ノートでもフルHD液晶を搭載していることが多い。しかし今回のN1540Jシリーズの場合、ただフルHDなだけではなく、Core i5とGeFroce GT 745Mを搭載し十分なスペックを確保しながら、7万円台という価格を実現した点が大きな特徴である。

テンキーとDVDドライブを搭載した据え置き型ノートとなっている

なお、液晶ディスプレイはTSUKUMOノートPCの共通仕様で、ノングレアタイプのパネルを使用。この大きさのノートPCを外へ持ち出すことはあまりないかもしれないが、光沢タイプの液晶パネルに比べて、照明や窓からの外光などが映り込みにくく、長時間使用時も目が疲れにくいといった特徴があるので、宅内でしか移動しない場合もメリットがある。

また特筆したいのは、外部グラフィックを搭載しながらも約25mmの薄型ボディを実現していること。ゲーマー向けノートやハイエンドのホームノートは、パフォーマンス面については文句はないものの、分厚くやぼったい製品が多い。ノートPCとはいえ、デスク上に据え置きにせざるをえないだろう。ところがN1540Jは前述のとおり約25.3mmとスリムで、重量も約2.1kgと15.6型ワイドクラスでは軽い。リビングや寝室、キッチンでといったように、家庭内モバイルがしやすいボディサイズとなっている。カラーリングもブラウンを基調としており、濃いブラック1色のマシンに比べて軽快感がある。比較的ハイスペックなモデルでありながら、"ゴツさ"をあまり感じさせない、スッキリとした外観にまとめられているのが特徴といえるだろう。

据え置き型ノートながら分厚い印象を与えないスッキリとしたデザイン。天板やパームレス部分はヘアライン調の仕上げとなっている

CPUとストレージ性能で3モデルを用意

eX.computer note N1540Jシリーズには、今回試用した「N1540J-500/E」に加え、上位モデルの「N1540J-710/E」「N1540J-720/E」が用意されている。

主な違いはCPUとストレージで、N1540J-500/EがCore i5-4200M(2コア、動作周波数2.5GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.1GHz)を搭載しているのに対し、N1540J-710/EはCore i7-4702MQ(4コア、動作周波数2.2GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.2GHz)で、もし動画のエンコードなど特にCPUパワーを要求される用途で多用する場合は、上位モデルを検討するのもいいだろう。ストレージは500GBのHDDで、BTOオプションで1TBを選択することもできる。

最上位のN1540J-720/Eは、3モデルの中で唯一DVDドライブが非搭載の代わりに、SSDとHDDを両搭載する構成となっている。SSDは128GBまたは256GB、HDDは500GBまたは1TBが用意されており、任意の組み合わせを選択可能。CPUは標準構成ではCore i7-4702MQとなっているが、Core i5-4200Mに変更することもでき、その場合10,500円引きとなる。SSDを追加した場合、OSや各種ソフトの起動、ファイルのコピーや圧縮といった、日常的に発生する操作のほとんどでレスポンスが向上するので、快適性が大きく向上する。DVDドライブが不要で、より快適にPCを使いたいというユーザーは、CPUよりもSSDへの投資を優先するという選択肢も大いにありだろう。なお、光学メディアを利用する機会があるユーザーならば、USB接続の光学ドライブをオーダーするとよい。こちらは約2,000円ほどで購入できる。

デスクトップ機と同等のキーピッチを確保したキーボード。配列も標準的

これら以外のカスタマイズ項目としては、すぺてのモデルで最大16GB(8GB×2枚)までメモリの増量が可能なほか、OSがWindows 8.1の無印およびPro、Windows 7 Home PremiumおよびProfessinalの計4種類から選択できるようになっている。まだまだ需要の大きいWindows 7は、単体パッケージについてはすでに出荷が打ち切られ、店頭在庫のみとなっているが、本機のようなプリインストール提供は継続されている。ビジネスユースなどでWindows 7でないと困るという用途でも、問題なく導入することが可能だ。そのほか、プリインストールソフトとしては、Office Personal 2013(Word/Excel/Outlook)または同Home and Business 2013(Personal+PowerPoint/OneNote)を追加できる。

最近の薄型ノートPCでは拡張ポートの個数が削減されたり、アダプターを介さないと利用できない特殊な形状が採用されたりすることも少なくないが、本機は合計4ポートのUSBを始め、HDMIおよびアナログRGB、ギガビットLANなど標準的な入出力端子を搭載。また、ユーザーによるパーツ交換はメーカー保証外のため、あくまで参考情報だが、底面のカバーを外すと2.5インチドライブベイにも簡単にアクセスできるので、知識のあるユーザーは将来的にHDDを交換することも容易だろう。

左側面。アナログRGB、ギガビットLAN、HDMI、USB 3.0×2ポートを備える

右側面にはヘッドフォン/マイク兼用端子、USB 2.0×2ポートなどを搭載

ACアダプタが接続されている場合、電源オフ時も給電されるUSBポートが用意されているので、携帯電話の充電などにも利用できる

底面カバーを開けたところ。メモリスロットと2.5インチドライブベイには容易にアクセスが可能

グラフィックス機能はNVIDIAのOptimusテクノロジに対応しており、描画負荷の高いシーンではGeForce GT 745Mが自動的に有効になり、それ以外の場合はCPUの内蔵グラフィックス機能を利用することで、低負荷時の消費電力を削減している。この機能の動作はNVIDIAコントロールパネルから変更可能で、自動切り替えを無効にして内蔵グラフィックスかGeForceのどちらかに固定できるほか、ソフトによってどちらを利用するかを任意に設定することも可能だ。

「NVIDIAコントロールパネル」から、GeForceと内蔵グラフィックスのどちらを利用するか選択可能