水冷ユニットの採用でCPUを強力に冷却

さて、冒頭でも述べたが、PCゲームはマシンにかかる負担が大きい。しかも長時間プレイした場合、そのまま負担がかかるのだ。となると気になってくるのが冷却。G-Master Vanguard-ITXは、ミドルタワーやマイクロタワーに比べ内部空間が狭く、大きなエアフローを生み出しにくくなっている。だが、水冷ユニットを使うことによって、CPUを強力に冷却するシステムになっている。

水冷ユニットにはCorsairの「CWCH60」を採用。空冷のクーラーに比べコンパクトなのがわかる。CPUクーラーから伸びたパイプはラジエーターへと接続される

ラジエーターは底部に配置。このラジエーターは底部の14cmファンと隣接しており、冷却液が帯びた熱を冷やす仕組みだ

では、水冷ユニットを採用したことで、空冷ユニットと冷却性能にどのくらいの差があるのか検証してみよう。CPUのリソースを使って3Dレンダリングを行う「CINEBENCH 11.5」の動作中に、SpeedFanというフリーソフトでモニタリングを行った。結果、空冷システムでは65度以上で推移していたが、水冷のG-Master Vanguard-ITXでは55度前後。10度以上の差が表れたかたちだ。なお、空冷のマシンのCPUはCore i7-2600で、G-Master Vanguard-ITXの試用機に搭載されているCore i7-3770Kよりも一世代前となる。ちなみにCINEBENCH 11.5のスコアは前者が「6.74pts」、後者が「7.49pts」となった。

3DレンダリングによるベンチマークCINEBENCH 11.5の結果。そのベンチマーク中の温度をモニタリングしたが、55度前後で推移した

もっとも注目のPCゲームが快適動作

さて、現在もっとも盛り上がっているオンラインゲームが「ファンタシースターオンライン 2」(PSO2)だ。ファンタシースターシリーズは、1987年から続く人気RPGゲームで、現在オンラインで楽しめるパソコン用のPSO2が話題になっている。G-Master Vanguard-ITXはこのPSO2の推奨パソコンに認定されており、同ゲームを快適にプレイすることが可能だ。ちなみにPSO2の動作検証が行える「PHANTASY STAR ONLINE 2 キャラクタークリエイト 体験版」の動作検証のスコアは「54410」。検証機のグラフィックボードがハイエンドのNVIDIA GeForce GTX680だったため、かなりのハイスコアとなった。スコア「5000」からが快適にプレイできるマシンという指標なので、余裕といえるだろう。

測定結果は「54410」となった