「LM-M110S」の内部構造は「LM-M110S」からどう変化したか?

続いて「LM-M110S」の内部構造を確認しよう。まずは背面中央の2つのネジを外して背面カバーを取り外すことになるのだが、このカバーの取り外しには少々コツがいる。天部、底部でツメによってひっかけられているので、ネジを外した後にこのツメを慎重に外す必要がある。無事に外れたら、側面カバーをスライドさせて内部にアクセスしよう。

内部構造はというと、これもまた「LM-M100S」とほぼ同様だ。TDP 4WのシングルコアAtomに比べ、デュアルコアAtomはTDP 8Wとコアが増えたぶん倍になっているが、CPU用のヒートシンクに変化はない。3.5インチHDDを押さえる2つのネジを外し、HDDをスライドさせて外すと、辛うじてカードリーダが追加されている点のみ変化が伺える。搭載されているパーツはDDR2メモリが1024MBから2048MBに、HDDは160GBから320GBにと、それぞれ倍の容量にスペックアップしているが、基本仕様はほぼ変更なしと考えていいだろう。

背面カバーの両端はツメで引っかけられており、外すには少々コツがいる
HDDを取り付けた状態の内部の様子。「LM-M100S」とまったく変わりがない HDDを取り外した内部の様子。カードリーダが追加されているのがわかる

ベンチマークで見るデュアルコアAtomの能力

Atomはインテルのハイパースレッディング・テクノロジーを利用したCPUのため、シングルAtomでも2つのCPUとして認識される。デュアルコアAtomでは、もちろんその倍の4CPUとしての認識だ。タスクマネージャやデバイスマネージャでもしっかりと確認できる。

タスクマネージャで2コア4スレッドの動作を確認できる デバイスマネージャでも4スレッドを備えたCPUとして認識されている

それでは、ベンチマークソフトで本機の性能を確認していってみよう。まずはMAXON Computerの「CINEBENCH R10」のレンダリングテストだが、Single CPUで「554」、Multiple CPUで「1563」という結果になった。Atomの持つ処理能力自体が高いわけではないため時間はかかるが、デュアルコア化の恩恵は確実に現われている。

続いて3Dゲーム系のベンチマークを試すが、GPUが世代の古い内蔵グラフィックス「インテル グラフィックス・メディア・アクセラレータ 950」であるため、スコア自体は低く、遊べるレベルには程遠い。Futuremarkの「3DMark06」では3DMARK Score「144」、CPU Score「843」という結果となる。なお、シングルコアAtomのCPU Scoreは470~480ほどだ。ゲーミングマシンではCPUベンチと化しているスクウェア・エニックス「FINAL FANTASY XI」ベンチ「Vana'diel Bench 3」では、High:1521、Low:1091という結果となる。シングルコアを酷使するアプリケーションではやはりその恩恵は小さい。しかし、マルチタスク処理においては効果を発揮しそうだ。

「LM-M110S」にWindows 7をインストールしてみる

せっかくなので、この機会にWindows Vistaより動作が軽くなったと言われるプレベータ版のWindows 7を、「LM-M110S」にインストールしてみることにした。インストール自体は特につまずく点もなく順調に進行する。インストール後に不明なデバイスとしてデバイスマネージャに残ったのは、Atherosの10/100Base-T LANと、SDカード以外のカードリーダ。これらも、付属のサプリメントディスクに収められているドライバを利用することで、すべて認識させることができた。Windows 7でのWindows エクスペリエンス インデックス スコアにおけるプロセッサのスコアは「3.2」。思いのほか快適な動作が行えた。

「LM-M110S」にWindows 7 プレベータ版をインストール サプリメントディスクを利用することですべてのデバイスを認識させられる
Windows エクスペリエンス インデックス スコアは「2.0」。プロセッサスコアは「3.2」

ネットトップの利点はそのままに、快適度をプラスした「LM-M110S」

「LM-M110S」の内容をざっと確認してきたが、1コアあたりのCPU性能は変わっていないため、従来から動作の重かった処理は変わらず荷が重い。むしろ本機の特徴は日常的に使うアプリケーションを複数実行する際に大きいだろう。インターネットを閲覧しながら、音楽を再生したり、メーラーを確認したり、文書作成や表計算ソフトを使ったりといった場面では4スレッドがうまく活用され、もたつきを感じることが少ない。現状のネットトップでできることに変化はないが、より快適度を高めたいなら、本機を選ぶ価値がある。

また「ProLite B2006WS」は、「LM-M110S」と組み合わせるにはオーバースペックといえるほど、本格的に“使える”液晶ディスプレイだ。「LM-M110S」だけでなく、他のデジタル機器やPCを繋いでもその性能を十分に発揮できる。

「LM-M100S」は現在39,800円、「LM-M110S」は49,800円。その価格差は1万円となり、このクラスの価格差として捉えるとそれなりに大きい。だがメモリ、HDDが2倍の容量となり、CPUはデュアルコア化され、カードリーダも追加していると考えると、この価格はお買い得と言えるはずだ。そして液晶ディスプレイ「ProLite B2006WS」をセットにした場合は17,850円を上乗せした67,650円。省スペース、省電力のWebブラウジング用PCを検討しているなら、一考の価値がある製品だ。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 LM-M110S
CPU インテル Atom 330
メモリ 2048MB
HDD 320GB
チップセット インテル 945GC Express
ディスプレイ 20.1インチTFTカラーパネル液晶(1680×1050ドット)
[iiyama ProLite B2006WS]※オプション(17,800円)
グラフィックス インテル グラフィックス・メディア・アクセラレータ 950
ドライブ DVD±R 2層書込対応 DVDスーパーマルチドライブ
OS Windows XP HomeEdition SP3
LAN 100Base-TX/10Base-T LAN
インターフェース USB2.0×6(前面×2、背面×4)、VGA、シリアル、マルチカードリーダー、ライン入力/出力、マイク入力
サイズ W60×D200×H250mm
価格 67,650円(税込)~

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。

価格については、2009/4/30現在の金額です。最新の価格についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

(マイコミジャーナル広告企画)

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