抜き取り検査

ソフトウェアのインストール後、一部の製品は抜き取り検査が行われる。これは、製品の外観や強度、梱包の状態を改めてチェックするために設けられている工程で、検査項目のなかには、日本独自の項目も用意されている。特に目立っていたのは、本体への荷重検査だった。使われているのは、最新の設備を持った工場に似つかわしくない本物の「つけもの石」。これで実際の使用を想定して重さを加え、製品の強度を確認している。また、輸送時を想定して製品へ振動を加え、梱包状態を見る振動機も導入されている。さらに、100V-110Vという電圧が使用されている日本独自の試みとして、電圧の変動なども考慮し、90Vといった低電圧での動作も確認される。

抜き取り検査工程。実際の使用を想定した様々な試験が行われる

PCの上には、本物のつけもの石が。これは日本独自の検査項目で、本体の荷重耐性をチェックしている

トラックが高速道路を走る時におこる振動を想定して負荷を与える振動機

梱包 -- ケース外観の最終チェックと、付属品の梱包

すべての検査が終了すると、製品は梱包のラインに入る。まずは傷を念入りに確認し、その上で汚れなどをふき取る。そして袋詰め、付属品の添付、梱包が行われ、コンテナに乗せると出荷される製品の完成だ。パレットは、一階にある出荷口に運ばれる。

すべてのテストを終えたマシンは、傷などを入念にチェックし、きれいに磨かれる

磨き終わったら、梱包材をかけ、付属品を添付して箱詰めされる

梱包を終了したら、パレットに積み上げ、製品は完成だ

パレットは、一般的な木製のものではなく、段ボール製のもので、2tまで耐えられるという。軽く、また廃棄の際もリサイクルできる素材だ

出荷 -- 発送伝票もバーコードから自動作成

生産工程が終了すると、完成した製品はパレットごと1階の出荷口に運ばれる。ここで発送伝票をバーコードで読み取って発行し、それを張り付けたら、あとはトラックへの積み込みだ。こうして、製品は企業や家庭のもとへ直接配送される。

製品が積み上げられたパレットは、そのまま出荷口に運ばれる

製品に発送伝票が貼られたら、そのまま配送業者のトラックに積み込まれ、出荷だ

さらなる進化を目指す昭島事業所

こういった最先端のシステムで運用されている昭島事業所だが、これにとどまることなく、新たな取り組みにも日々挑戦を続けている。ここまでにあげた生産や物流のコスト削減の効果は毎年更新を続けており、本年も前年比25%のコスト削減に成功しているという。また、環境問題への取り組みにも意欲的だ。工場内のゴミのリサイクル率は、なんと99%以上。それが形となって表れたのが、工場全体で取得した環境マネージメントシステム「ISO14001」といえる。日本HPのモデル工場として運用されている昭島事業所。モノづくりにこだわりを持つ日本人による「MADE IN TOKYO」が、世界の工場を変えていく、そんな現場を今回は見せていただいた。

昭島事業所で製作されるPCの一例を見てみよう!

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