こんにちは、阿久津です。MicrosoftがリリースしたWindows 10テクニカルプレビューですが、Windows Phoneの顔としてお馴染みのJoe Belfiore氏によれば、仮想マシンにインストールされたのは全体の36%。残りの64%は実機にインストールされているとのこと。メインPCへのインストールは筆者も踏み切ることができませんが、確かに実機でも使いたくなる出来です。

さて、Windows 10にはメインOSと使う上で気になる点も残っています。その一つが「continuum」と呼ばれるスタート画面/スタートメニュー(タブレットモード/デスクトップモード)の切り替え機能が、テクニカルプレビューでは未実装あること。筆者の場合、Surface Proをタブレットとして使う場面も少なくありません。その際、スタート画面とスタートメニューを切り替えるために、再サインインするのは面倒です(図02)。

図02 今後「continuum」と呼ばれるスタート画面/スタートメニュー切り替え機能が搭載される予定

このスタート画面/スタートメニューの切り替えは、HKEY_CURRENT_USER \Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\AdvancedキーのDWORD値「EnableStartMenu」で制御しており、データが「0」の際はスタート画面、「1」の際はスタートメニューが有効になる仕組みです。そこで今週は、このレジストリエントリを切り替えるスクリプトを用意し、コンテキストメニューから呼び出すチューニングを紹介しましょう。

1. メモ帳を起動し、VBSファイルを作成します。
2. VBSファイルをC:\Windowsフォルダーに移動します。
3. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
4. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shellキーを開きます。
5. Toogle Start Modeキーを作成します。
6. 文字列値「Position」を作成し、データを「Bottom」に変更します。
7. Toogle Start Modeキーの下にcommandキーを作成します。
8. (Default)のデータを「WScript C:\Windows\Toggle_StartMode.vbs」に変更します。
9. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図03~19)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「Run」を起動し、テキストボックスに「notepad」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 Notepadに下記囲みの内容を入力して、保存します

FileExtension = "HKCU\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced\EnableStartMenu"
Set CMD = WScript.CreateObject("WScript.Shell")
Check = CMD.RegRead(FileExtension)
If Check = 1 Then
CMD.RegWrite FileExtension, 0, "REG_DWORD"
Else
CMD.RegWrite FileExtension, 1, "REG_DWORD"
End If
Set oShell = WScript.CreateObject ("WScript.Shell")
oShell.run "cmd /c taskkill /f /im explorer.exe", 0
WScript.Sleep 500
oShell.run "cmd /c start explorer.exe", 0

図05 保存先を「Desktop」に、ファイル名を「"Toggle_StartMode.vbs"」として、<Save>ボタンをクリックします

図06 [Win]+[R]キーを押して「Run」を起動し、テキストボックスに「C:\Windows」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図07 先ほど作成したVBSファイルをWindowsフォルダーにドラッグ&ドロップし、確認をうながすダイアログの<Continue>ボタンをクリックします

図08 これでVBSファイルがWindowsフォルダーに移動しました

図09 [Win]+[R]キーを押して「Run」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図10 Registory Editorが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shellまで、キーをたどって開きます

図11 Shellキーを右クリックし、メニューから<New>→<Key>と順にクリックします

図12 キー名を「New Key #1」から「Toggle Start Mode」に変更します

図13 Toggle Start Modeキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューから<New>→<String Value>と順にクリックしてください

図14 値名を「New Value #1」から「Position」に変更します

図15 文字列値「Position」をダブルクリックで開き、データを「Bottom」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図16 続いてToggle Start Modeキーを右クリックし、メニューから<New>→<Key>と順にクリックします

図17 キー名を「New Key #1」から「command」に変更します

図18 右ペインの「(Default)」をダブルクリックで開き、データを「WScript C:\Windows\Toggle_StartMode.vbs」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図19 <×>ボタンをクリックしてRegistry Editorを終了します

では、結果を確認してみましょう。デスクトップの何もないところを右クリックしますと、コンテキストメニューに<Toggle Start Mode>という項目が新たに加わっています(図20~22)。

図20 デスクトップの何もないところを右クリックし、メニューの<Toggle Start Mode>をクリックします

図21 VBSファイルを実行し、レジストリエントリの書き換えとExplorer.exeの再起動を行います

図22 [Win]キーを押すと、スタートメニューの状態からスタート画面に切り替わります

前述のとおりスタートメニュー/スタート画面の状態は、DWORD値「EnableStartMenu」で制御していますが、今回用意したVBSファイルでは同エントリの状態を確認して「1」の場合は「0」へ、「0」の場合は「1」へ変更します。その後「taskkill」コマンドでエクスプローラー(Explorer.exe)を強制終了し、再びExplorer.exeを起動するというもの。

本チューニングを破棄する場合は、HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\Toggle Start Modeキーと、「C:\Windows\Toggle_StartMode.vbs」ファイルを削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus