こんにちは、阿久津です。The Registerが報じたように、IBMによるロータス1-2-3のサポートが終了しました。開発・販売を手がけていたLotus Developmentは1995年にIBMが買収しましたが、そのIBMによるバージョンアップは2001年が最後。筆者は当初からExcelを使っていたため、あまり使っていませんが、日本では専門雑誌が発行されていたほどの勢力を誇りました(図01)。

図01 Windows 98にインストールしたロータス1-2-3 5.x

この話をすると、Lotus Notesを開発したRay Ozzie氏を思い出します。元MicrosoftのCSA(チーフソフトウェアアーキテクト)だった同氏は、IBMの買収に伴いGroove Networksを起業しましたが、2005年に同社はMicrosoftが買収。その結果Office Grooveが生まれましたが、2010年末にMicrosoftを退社し、現在ではOfficeスイートのラインナップからも外されました。ロータス1-2-3のサポート終了やOzzie氏の成り行きは、平家物語の"盛者必衰"を思い渡すような出来事です。

図02 Windows XPのフォルダーに対するコンテキストメニュー

図03 Windows Vistaには、<検索>が用意されていません

さて、Windows Vista以降の変更点として顕著なのが、フォルダーのコンテキストメニューにあった<検索>です。同項目を選択しますと、そのフォルダーを対象にした検索用のウィンドウが開く仕組みでした。Windows Vista以降は検索に対するアプローチが変化し、さらにWindows 8/8.1では検索チャームも存在することから、コンテキストメニューにおける必要性も低下しています。そのため変化を意識しなかった方も少なくないでしょう(図02~03)。

しかし、Windows 10では再びデスクトップ環境を強化することも明らかになり、デスクトップから機能を呼び出す選択肢は、多いことに越したことありません。そこで今週はWindows XP時代は利用できたコンテキストメニューの<検索>を、Windows 8/8.1で復活させるチューニングを紹介しましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\shell\findキーを開きます。
3. 文字列値「LegacyDisable」を「LegacyDisable.disable」などにリネームします。
4. レジストリエディターを終了します。
5. エクスプローラーを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図04~10)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\shell\findまで、キーをたどって開きます

図06 文字列値「LegacyDisable」を選択して[F2]キーを押し、値名を「LegacyDisable.disable」などに変更します

図07 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

図08 タスクバーの何もないところを[Shift]+[Ctrl]キーを押しながら右クリック。メニューの<エクスプローラーの終了>をクリックします

図09 [ESC]+[Shift]+[Ctrl]キーを押してタスクマネージャーを起動し、<ファイル>メニュー→<新しいタスクの実行>とクリックします

図10 テキストボックスに「explorer」と入力して<OK>ボタンをクリックします

では、結果を確認してみましょう。任意のフォルダーを右クリックしますと、コンテキストメニューに<検索>が表示されます(図11)。

図11 フォルダーのコンテキストメニューに<検索>が加わります

そのまま同項目を選択しましょう。「検索結果」を題したエクスプローラーが起動したら、任意の検索を実行してください。コンテキストメニューを呼び出したフォルダーを対象に検索が行えます。Windows 8/8.1の場合[F3]キーを押すと検索チャームが起動しますが、その代わりとして使えます(図12~13)。

図12 <検索>をクリックしますと、「検索結果」を題したエクスプローラーが起動します

図13 検索ボックスにキーワードを入力しますと、元となるフォルダーを対象に検索を実行できます

今回のチューニングポイントは文字列値「LegacyDisable」です。MSDNなどの資料を確認してみましたが、具体的な説明は見つかりませんでした。しかし値名から察するに"従来の機能を無効にする"ためのフラグとして利用しているのでしょう。その証拠ではありませんが、主にHKEY_CLASSES_ROOTキーやHKEY_CURRENT_USER\Software\Classesキーで用いられます。

なお、今回のチューニングを破棄する場合はリネーム結果を「LegacyDisable」に戻し、エクスプローラーを再起動してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus