こんにちは、阿久津です。Windows 8.1には「スキャン」という新しいWindowsストアアプリが加わりました。筆者が所有しているスキャナーは古く、Windows 7でもサポートされていないため、海外のスキャンアプリに付属するデバイスドライバーを使い、デスクトップ環境で利用しています。しかし、前述のWindowsストアアプリでは動作しません(図01)。

図01 筆者のスキャナーをWindows 8.1マシンに接続しても、「スキャン」では認識しません

その理由は不明でしたが、スキャナーをリプレースする際に確認しようと後回しにしていたところ、Microsoftの公式ブログ「Windows App Builder Blog」の記事に答えがありました。「Developing apps that use image scanners in Windows 8.1」によりますと、Windows 8.1におけるスキャナーの管理は、WIA(Windows Imaging Acquisition)プラットフォーム下にある、Scan Runtime APIs上でコントロールされています(図02)。

図02 スキャナーを利用するためのプラットフォームとしてWIAが利用されています(公式ブログより)

WIAプラットフォームは、Windows Meの時代から利用されてきました。現在はWIA 2.0に更新され、Windowsストアアプリでスキャナーを利用するには、WIA 2.0対応のデバイスドライバーが不可欠とのこと。WIA 2.0対応ロゴは主に2010年6月以降のスキャナーに付けられており、Windows XP時代に購入した筆者のスキャナーはもちろん対象外です。

同記事は基本的にアプリケーション開発者向けのため、詳しい情報は割愛しますが、結論を述べれば、Windows 8.1のWindowsストアアプリ上でスキャナーを利用するには、WIA 2.0対応モデルでなければならないということでした。まったく動作しないのであれば、リプレースも視野に入れなければなりません。しかし、前述のとおりデスクトップ環境では利用可能なため、筆者個人はスキャナーが壊れるまで現状維持の予定です。

さて、Windows Vista以降では、ログオンの成否を表示するDWORD値「DisplayLastLogonInfo」が用意されました。ユーザーがログオンした際に、前回ログオンに成功した日時や失敗した日時、そしてログオンに失敗した回数を示すメッセージが表示されます。セキュリティ対策として有用な機能ですが、Windows 8.1でも同様に利用できますので、今週はローカルアカウントによるサインイン時に成否の結果を表示するチューニングを紹介しましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies \Systemキーを開きます。
3. DWORD値「DisplayLastLogonInfo」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了し、Windows 8.1に再サインインします。

これでチューニングが完了しました(図03~09)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Systemまで、キーをたどって開きます

図05 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図06 「新しい値 #1」を「DisplayLastLogonInfo」に変更します

図07 DWORD値「DisplayLastLogonInfo」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図09 スタート画面のユーザーアイコンをクリックし、メニューから<サインアウト>をクリックします

早速結果を確認してみましょう。Windows 8.1のサインイン画面が現れたら、ローカルアカウントを選択してサインインを実行してください。すると前述したようにサインインの成功/失敗、およびサインインに失敗した回数が示されます(図10~11)。

図10 サインイン画面でローカルアカウントをクリックし、任意の方法でサインインを実行してください

図11 するとサインインの成否結果や日時、サインインに失敗した回数などが示されます。確認後は<OK>ボタンをクリックしてください

ただし、本機能が利用できるのはローカルアカウントに限られ、Microsoftアカウント利用時はサインインの成否情報は示されずにスタート画面が現れます。なお、チューニング結果を元の状態に戻すには、DWORD値「DisplayLastLogonInfo」のデータを「0」にするか、エントリ自体を削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus