こんにちは、阿久津です。Microsoftから、また新しいセキュリティツールが公開されました。その名もMicrosoft Safety Scanner。システムを監視する無償のウイルス/マルウェアスキャンツールです。Microsoft Security Essentialsと同じエンジンを使用して、コンピューター内に潜むウイルスやマルウェアの検出を行うのが主な目的。

気になるのは、Microsoft Security Essentialsの関係です。同ツールはシステムに常駐する一般的なウイルス/マルウェア対策ソフトですが、Microsoft Safety Scannerはあくまでもスキャンツールであり、リアルタイム保護機能や定義ファイルの更新機能は備わっていません。また、ダウンロード後は10日間の使用期限が設けられています。これは、ウイルス/マルウェアの定義ファイルが実行ファイル内に格納されているため、新たにダウンロードをうながすための処置なのでしょう。

公式Webページにも書かれているように、Microsoftもリアルタイム保護機能が必要な場合は、Microsoft Security Essentialsの使用を勧めています。そのため、Microsoft Safety Scannerは、ウイルス感染時の応急処置といった限定的な用途に用いるツールなのでしょう。既にMicrosoft Security Essentialsを導入している方には不要なツールとなりますが、トラブル発生時にセキュリティツールを新規導入している余裕がない場合にお試しください。

なお、Microsoft Safety Scannerはマルウェア検出時や実行中のエラーが発生した際、Microsoftへレポートが送信される仕組みです。コンピューターから除去されたウイルスやマルウェアのファイル名やOSのバージョンなど、個人情報につながるものではありません。詳細な送信内容はこちらに掲載されていますので、気になる方は実行前に確認しておきましょう(図01~10)。

図01: ダウンロードした「msert.exe」をダブルクリックし、使用許諾契約書に同意しますと、Microsoft Safety Scannerが使用可能になります

図02: スキャンタイプの選択をうながされます。通常はクイックスキャンでよいでしょう

図03: ウイルスやマルウェアの検出が実行されました。対象はシステムフォルダーやAPPDATAフォルダー、Program Filesフォルダーの一部です

図04: 特に問題がなければ、そのまま終了となります

図05: ウイルスなどが検出された場合はフルスキャンの実行をうながされます

図06: スキャンを終えると駆除方法の操作をうながされます。リンクから対象ファイルを確認してから修復/削除を実行しましょう

図07: 図06の画面でリンクをクリックしますと、ウイルスなどに感染したファイルが列挙されます

図08: 駆除を終えたらリンクをクリックして結果を確認しましょう

図09: 最後にレポート送信の有無を選択できます。ご自身のポリシーに沿って対応してください

図10: スキャン時のログ情報は「%windir%\Debug\msert.log」ファイルに保存されます

さて、Windows 7のフォルダーオプションダイアログには、隠し属性が付いたファイルやフォルダーの表示・非表示を切り替える「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する(しない)」、システムファイルの表示・非表示を切り替える「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない」と二つの設定項目が用意されています。

図11: フォルダーオプションダイアログでは、ファイルやフォルダーの表示/非表示に関する設定が可能です

各設定は、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ Advancedキーに並ぶ、DWORD値「Hidden」と同値「ShowSuperHidden」で管理され、前者の場合はデータ値が「1」で表示、「2」で非表示となります。後者の場合はデータ値が「1」で表示、「0」で非表示となります。

普段は非表示にしておいた方が操作しやすい場合が多いですが、システムメンテナンスなどを行う際はすべてのファイルやフォルダーが表示されている方が管理しやすいでしょう。しかし、そのたびにダイアログを呼び出して設定項目を切り替えるの面倒です。そこで今回は、ファイルやフォルダーの表示/非表示をバッチファイルから操作するチューニングをお届けします。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「notepad」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.メモ帳が起動したら下記の内容入力し、任意のファイル名を付けてファイルを保存します。

Show_Hidden.bat

@echo off
setlocal
set RegKey="HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced"
set Hidden_Entry=Hidden
set SHidden_Entry=ShowSuperHidden
set Run1Cmd=reg.exe add

reg query %RegKey% /v %Hidden_Entry% | find "0x1" >nul

if %ErrorLevel% == 1 goto Run1
if %ErrorLevel% == 0 goto Run0

:Run1
echo 各ファイルを表示する
%Run1Cmd% %RegKey% /v %Hidden_Entry% /t REG_DWORD /d 1 /f >nul
%Run1Cmd% %RegKey% /v %SHidden_Entry% /t REG_DWORD /d 1 /f >nul
goto end

:Run0
echo 各ファイルを非表示にする
%Run1Cmd% %RegKey% /v %Hidden_Entry% /t REG_DWORD /d 2 /f >nul
%Run1Cmd% %RegKey% /v %SHidden_Entry% /t REG_DWORD /d 0 /f >nul
goto end

:end
endlocal

これでチューニングが終了しました(図12~16)。

図12: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「notepad」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図13: メモ帳が起動したら囲みの内容を入力して、<×>ボタンをクリックします

図14: 保存をうながすダイアログが起動したら、<保存する>ボタンをクリックします

図15: デスクトップなどに移動し、任意のファイル名(画面の例では「Show_Hidden.bat」)を入力して、<保存>ボタンをクリックします

図16: これで設定を切り替えるバッチファイルが完成しました

それでは結果を確認してみましょう。先ほど作成したバッチファイルをダブルクリックしますと、現在の状態を確認し、DWORD値「Hidden」と同値「ShowSuperHidden」に対して異なるデータ値が書き込まれます。つまり、現在の状態が"表示"の場合は"非表示"に、"非表示"の場合は"表示"へとトグル式に切り替わります(図17~18)。

図17: 先ほど作成したバッチファイルを実行しますと、表示/非表示の設定がトグル式に切り替わります

図18: バッチファイルを実行するたびに、フォルダーの表示内容が切り替わります

今回はバッチファイルの作成で留めましたが、ショートカットキーを割り当てたり、コンテキストメニューから呼び出すチューニングを追加することで利便性が大幅に向上します。必要に応じてお試しください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)