こんにちは、阿久津です。今回は、いよいよ来週に迫ったWindows 7の発売日を踏まえ、Windows 7の販売価格を確認していきましょう。Windows 7の販売価格は既に報じられているとおり、2万円半~3万強の価格帯に位置し、上位エディションほど高いのはWindows Vistaと同じ。すべてオープン価格ですが、Microsoftが提示した参考価格によると、Windows 7 Home Premiumエディションは24,800円、同Professionalエディションは37,800円、最上位である同Ultimateエディションは38,800円という価格が付けられました(図01)。

■図01: Windows 7の価格設定
通常版 アップグレード版
Windows 7 Home Premium 24,800円 15,800円
Professional 37,800円 25,800円
Ultimate 38,800円 26,800円
Windows Vista Home Premium 29,800円 19,800円
Business 37,800円 25,800円
Ultimate 48,800円 31,800円

図01には参考例として、Windows Vistaの価格も掲載しましたが、ご覧のようにWindows 7 Home Premiumエディションは5,000円、Ultimateエディションは1万円ほどプライスダウン。アップグレード版は同Home PremiumエディションもUltimateエディションも5,000円ダウン。ここで興味深いのがWindows 7 Professionalエディションの価格設定。同等のWindows Vista Businessエディションと比較しますと、通常版はもちろんアップグレード版も、まったく価格に変化が見られません。これは同エディションの対象がビジネスユーザーであり、個人ユーザーと比較すると価格にシビアではないためでしょう。

Windows 7 Professionalエディションの価格に関しては、もう1つ違和感を覚える箇所も。それが同Ultimateエディションとの価格差。図01のように、通常版およびアップグレード版の価格差はたったの1,000円。こうなってきますと、「最上位エディションである必要はないけど、Windows 7 Professionalエディションを購入しよう」と予定していたユーザーは、「たったの千円差なら最上位エディションを購入した方がお得だ」と考えるのでは。

前回示したように、Windows 7 Professionalと同Ultimateエディションの機能差を踏まえますと、後者はBitlocker To Goや仮想HDD(VHDファイル)からの起動など、ユニークな機能が備わっているため、中上級者はProfessionalエディションを選択するメリットは少なくなります。そのため個人ユーザーの新規購入対象は、事実上、同Home Premiumエディションか同Ultimateエディションの2本にしぼり込んだ良いでしょう。

さて、これらはすべてMicrosoftが提示した価格であり、実際の販売価格ではありません。消費税を足すと図02のように、Windows 7 Home Premiumエディションは2万台後半、同Ultimateエディションは4万円台。もっともAmazonなどオンラインショッピングで確認しますと、おおむね10~12%ほどの値引きが行なわれていますので、10月13日時点では、同Home Premiumエディションは22,990円(税込み)、同Home Premiumアップグレードは14,490円(税込み)という価格で販売されています(図02)。

■図02: 税込みおよびオンラインショップでの販売価格(10月13日時点)
通常版 / Amazon販売価格 アップグレード版 / Amazon販売価格
Home Premium 24,800円(税込:26,040円) / 22,990円(税込) 15,800円(税込:16,590円) / 14,490円(税込)
Professional 37,800円(税込:39,690円) / 34,980円(税込) 25,800円(税込:27,090円) / 24,149円(税込)
Ultimate 38,800円(税込:40,740円) / 35,990円(税込) 26,800円(税込:28,140円) / 24,690円(税込)

その一方で気になるのが、発売記念優待版の存在。数量限定としながらもWindows 7 Home Premiumエディションはパッケージ版が13,228円、同Professionalエディションは18,898円と、かなり安い価格が設定されています。また、Microsoftが運営するオンラインショップ「Microsoft Store」ではダウンロード版が用意され、それぞれ120円ほど安い価格が設定されていました。正直な感想を述べれば、パッケージコストなどがかからないダウンロード版なのに、たった120円差、という点に首を傾げてしまいました。なおダウンロード版は、32ビット/64ビット版のいずれかの選択をうながされるため、当初は32ビット版でアップグレードし、後ほど64ビット版に移行する場合は、通常版を新規購入しなければなりませんので、ご注意ください。

この他の選択肢として、3台のコンピュータ(一世帯)に対して、Windows 7 Home PremiumにアップグレードできるWindows 7 Home Premiumアップグレードファミリーパックも用意されています。こちらは10月18日から販売されますが、詳細情報は10月22日以降に公開されるWebサイトを確認してから購入することをお勧めします。

以上で、Windows 7の販売価格に関する紹介を終え、次号からはWindows 7を主な対象としたチューニング連載に戻ります。是非、Windows 7導入後も本連載をご覧ください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)