プログラミングとアート、こ2つは相反するもののように見える。プログラミングはたとえば0か1かの世界で、"論理"が中心に存在する。一方アートは感性の世界で、いわば心の中に訴えるようなものだ。だが、コードの中にも美しいと感じるものはあるし、アートにも計算によって生み出される美しさが存在する。

プログラミングはできるものの、自分にはアートの才能はないと思っている方は、「Context Free」に挑戦してみよう。意外な才能が見いだせるかもしれない。

「Context Free」。レンダリングするたびに異なる作品が得られる

名称 Context Free
バージョン 2.1(v16)
動作環境 Mac OS X 10.3.9以上
ジャンル プログラミング
開発者 Chris Coyne / Mark Lentczner / John Horigan
種別 オープンソース
ライセンス GPL

このようなフラクタルを感じさせる作品も多い

Context Freeは"アート"を描き出すソフトだ。専用のプログラミング言語を使い、ランダムな要素も絡めつつ、作品を描き出していく。幾何学的な模様を描き出すツールはこれまでにも存在したが、Context Freeはもっと抽象的な印象だ。

Ruleと定義する関数のようなものの中で、サークルやスクウェア(四角)などの形を定義していく。ランダムな要素が入れば、実際に描き出される場所は同じとは限らない。色や動きを変えていけば、予想とは異なる結果が得られるだろう。

フラクタル的な要素も入っており、樹木や雲のような形を描くこともできる。Context Free自体にサンプルが組み込まれているほか、公式サイトにはユーザが作った作品がギャラリーとして公開されている。もちろんコード付きなので、コードを貼り付けてレンダリングすればサイトに掲載されている画像とはまた違う作品が描かれるはずだ。

できあがった作品は画像やSVGとして保存できるほか、MPEG4やMOVとして生成過程を含めたムービーを作成することもできる。プログラミングでアートするという新しい感覚をぜひ一度体感してみてほしい。

自費出版サービス「Blurb」を利用し、Context Freeで作成した画像をまとめた画集を出版した人がいて、大手書店Barnes & Nobleで購入できる模様