連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。
住宅金融支援機構が10月から「【フラット35】リノベ」取り扱いを開始
新築住宅が高額なため、中古住宅を購入後すぐにリフォームをして住もうと考えている方や、リフォーム済みの中古住宅を購入しようと考えている方も多いでしょう。
そのような方を対象に、住宅金融支援機構が2016年10月1日から「【フラット35】リノベ」の取り扱いをスタートします。
「【フラット35】リノベ」とは、全期間固定金利型の住宅ローン【フラット35】を利用する方が、省エネや耐震性等の住宅性能を一定以上向上させるリフォームをして中古住宅を取得する場合に、【フラット35】の金利を一定期間引き下げる仕組みです。
ちなみに、2016年8月の【フラット35】の金利は、0.90%です(融資率9割以下・返済期間21以上で最も多くの取り扱い金融機関が提供している金利)。この金利自体、2016年2月から始まった日本銀行の「マイナス金利」政策の影響を受けて過去最低の水準です。
2016年8月金利の場合、【フラット35】リノベは、当初10年、あるいは当初5年間とはいえ、この金利から更に▲0.6%引き下げられますので、当初の適用金利は0.30%になります。なお、【フラット35】リノベは2016年10月1日以降の申し込み分からのスタートです。
ただし、この優遇は予算金額があるため、予算金額に達する見込みになると受付が終了します。つまり「早い者勝ち」の仕組みです。
利用できる住宅には一定の条件がある!
【フラット35】リノベを利用するためには、次の(1)及び(2)の条件を満たす住宅である必要があります。
(1)【フラット35】リノベの技術基準を満たす「性能向上リフォーム」を行うこと
(2)「中古住宅の維持管理に係る措置」に関する次の1~4のいずれかの措置を行うこと
1. 一定の基準に基づいた現況調査(インスペクション)を実施すること
2. 瑕疵担保の付保等
3. 住宅履歴情報の保存
4. 維持保全計画の作成
技術的なことを含め、素人には難しい条件が設けられています。【フラット35】リノベを利用するには、事前に、住宅を購入する不動産会社やリフォームをお願いする建築会社に「【フラット35】リノベを利用したい」という要望を伝えておく必要があります。
また、住宅金融支援機構には、フラット35の融資、技術基準に関するお問い合わせ窓口が設置されています。祝日・年末年始を除く平日・土日の9時~17時、通話無料で対応してくれるので、興味がある人は電話してみてはいかがでしょうか。
執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。
「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)
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