【コラム】
毎年、バージョンアップを続けていた老舗年賀状作成ソフトの「宛名職人」だが、2007年はユニバーサルバイナリ化のプログラム設計に苦戦。年賀状作成ソフトの旬ともいえる年内の提供に間に合わず、発売延期となった。あれから約1年を経て、バージョン15がやっとユーザの元に届く。本シリーズは、今ではこのジャンルでMac唯一の市販ソフトとなり、それ故にユーザの期待も大きいが、果たして完成度はどこまで到達できたのだろうか。
スペック
[発売元] アジェンダ [価格] パッケージ版:8,400円、アップグレード版:5,250円、ダウンロード版:オープンプライス(メーカーオンラインストア価格:3,990円) [OS] Mac OS X 10.4以上(10.4.4以上を推奨)、Mac OS X 10.5.1以上(10.5.4以上を推奨) [HD] 標準インストール時:約1200MB以上 [備考] PowerPC G3/G4/G5、またはインテルCPU搭載のMac(インテルMacを推奨) ※初期のPowerBook G3、および、プロセッサアップグレードカードには非対応。1670万色以上、1024×768ピクセル以上のモニタ。インターネット接続環境およびSafari 2.0以上が必要 [掲載号] 「Mac Fan」2008年12月号
今回のバージョンアップでは、インテルMacユーザが待ち望んでいたユニバーサルバイナリ化を果たすと同時に、ユーザインターフェイスを全面的に変更するなど、これまでにない規模の改良が施されている。バージョンアップというよりまったく新しいアプリケーションに生まれ変わったと考えたほうがよいだろう。
しかし、バージョンが新しくなっても、基本的な考え方に大きな変更はない。独自の住所録に宛名情報を入力した後、宛名面と裏面をデザインして印刷するという流れも同じだ。住所や氏名、誕生日などの個人情報に加え、6年分の年賀状や暑中見舞いの履歴などを記録する住所録も、基本的な項目は同様で、旧バージョンのデータを直接使用することもできる(バージョン10以上)。Mac OS Xの「アドレスブック」のデータを読み込ませるのも簡単だ。
一方で、Mac OS Xのユーザにとって馴染みのあるユーザインターフェイスを取り入れたことにより、住所録一覧がiTunes風になり、アドレスブックに近い感覚でカード表示が利用できるようになった。宛名面と裏面で異なっていた編集画面のインターフェイスも共通化し、印刷設定も標準のプリントダイアログに集約するなど、使い勝手を向上させるための仕様変更が各所に盛り込まれている。
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(1) 使い慣れたユーザインターフェイスになった住所録 |
もちろん、来年の干支を使った年賀状デザイン、1万2,000点以上のイラストや題字といった素材、日本語や人名外字、欧文を含む68書体のフォントなど、豊富な付属コンテンツも健在だ。
起動してまず気づくのが、シンプルになったトップメニューだ。前バージョンと比べ項目が少なくなっている。作業開始時に選ぶ項目としては、これくらいスッキリしていたほうがわかりやすい。
トップメニューにあるアイコンをクリックすると操作ガイドが表示されるので、あとはそれに従って作業を進めていけばいい。本バージョンでは、操作ガイドの横にドロワーが備わり、そこに詳細な作業手順が表示されるようになった。わざわざヘルプを開かずに手順や注意点などを参照できるのは、初めて使うユーザにとってありがたい仕様変更だ。
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(2) スッキリとまとめられたトップメニュー |
(3) 操作ガイドに加わったドロワーによる説明 |
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(4) 豊富な項目を用意した住所録カード |
住所録の一覧に目を移すと、ツールバーやアクションメニュー、検索ボックスなど、Mac OS Xでお馴染みのパーツが並ぶ。これまでは、一覧表示ウインドウから新しいカードを追加できないなど使い勝手の悪い部分があったが、本バージョンではアドレスブックと同様の操作で住所録の追加や修正が行えるようになり、たしかに使いやすくなった。
宛名面や裏面を作成するデザイン編集でも、文字ツールで入力した文字の書体変更がOS標準のフォントパネルで行えるし、画像や差出人などの各項目も、アップル純正ソフトで見慣れたインスペクタウインドウでパラメータを指定できる。このように、独自のユーザインターフェイスを廃止したことで、より直感的に操作できるようになった点は十分実感できた。ドラッグ&ドロップで画像の配置が可能になっているのもMacらしく、使いやすい改良だ。
宛名印刷などの機能面は、すでに十分すぎる域まで達しているソフトだ。新しくなったインターフェイスは、細かなところを突けばもっとMacらしく改良できる余地があると思うが、大幅に使いやすくなっているのは間違いない。一連の作業でさまざまなウインドウを開く必要がある点は従来同様で、多少の繁雑さを感じるが、次バージョンでこれをスッキリと統合できれば、さらに使い勝手がよくなるだろう。
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