【コラム】

Mac Fan ソフトウェアレビュー

7 キャプチャツール「Snapz Pro X」

    早川厚志  [2009/03/22]

    Mac上のあらゆる操作を録画する
    動画対応の最強キャプチャツール【2007年11月号掲載】


    「パソコンの操作を動画として保存する」。ここから生まれるメリットは無限にある。すぐに思いつくのは企業の動画マニュアルだが、個人でも、誰かに操作を動画で教えたい時はあるだろう。さらに、パソコン上で絵を描いていく工程を録画して公開したり、ストリーミングビデオやビデオチャットを保存しておくといったニーズも考えられる。では、Macでそれを実現するには何が必要か? それがこの「Snapz Pro X(スナップズプロ)」なのだ。


    スペック

    [発売元] アイギーク  [価格] パッケージ版:1万3,400円、ダウンロード版:8,820円 [OS] Mac OS X 10.3.9以上  [備考] PowerPC G3/G4/G5、もしくはIntelプロセッサを搭載したMacに対応 [掲載号] 「Mac Fan」2007年11月号

    OVERVIEW

    「Snapz Pro X」は、古くから親しまれてきた画面キャプチャツールだ。本製品は、以前から定番のオンラインソフトとして米アンブロージャ社で公開されていた。今まで、シェアウェア登録をするためにはドル建てでオンライン決済をする必要があったが、この度、ついにアイギークが日本語版のパッケージ販売を開始した。

    Macの画面を静止画として保存するのはOSの標準機能でもできるが、このソフトは、静止画だけでなく、画面上の動きを音声付きで「録画」する機能も備えているのが最大の特長だ。

    (1) 操作はシンプルで簡単
    [コマンド]キー+[シフト]キー+[3]キーを押すと画面が疑似的にフリーズし、図のようなパネルが開くという簡単操作。クリップボードにコピーしたり、プリンタで印刷したり、メールに添付することも可能

    静止画撮影の機能も充実している。8種類の形式から画像フォーマットを選択することができ、撮影時に倍率(10~400%)や画質(3段階)などを設定することが可能だ。また、周囲に「枠」を付けたり、マウスカーソルをスクリーンショットに含めるといった機能もある。

    (2) 特定のパーツのみを撮影することも
    開いているウインドウやメニュー、ドック、アイコンなどのオブジェクトのみをキャプチャしたい場合は、パネルで[オブジェクト]を選ぶ。ウインドウなどをクリックするとハイライト表示される

    (3) 撮影範囲をドラッグ&ドロップで指定
    パネルで[選択範囲]を選択すると、ドラッグ&ドロップで撮影範囲を指定できる。マウスカーソルの右下にはカーソル周辺が拡大表示され、細かい部分を選択する場合に役立つ

    (4) キャプチャ範囲に余白や影、枠を追加できる
    撮影範囲を指定すると開くダイアログの[選択範囲の形状]では、周囲に影を付けたり、黒い線で囲むなどの処理が可能。[確認]ボタンをクリックすると、保存後の様子をプレビューしながら設定できる

    FOCUS ON

    本製品の一番のメリットは、やはり動画を保存できることだろう。画面全体だけではなく、撮影するエリアを指定したり、ポインタを中心とした範囲を指定したり、さまざまなサイズで撮影ができる。

    (5) 目的や用途に合ったムービー設定が可能
    ムービーの撮影では、保存時の圧縮方法やエンコーディング、フレームレート、色数などの設定が行える。音声まで保存できるのは頼もしい

    録画した動画は、サイズ(ピクセル数)を縮小して書き出すことも可能。後で動画編集ソフトを使って調整しなくても、このソフトだけでコンパクトなムービーを作成できるというわけだ。ただし、撮影した動画を倍速のムービーにするような再生速度の調節はできないので、早送りの動画にしたい場合は、動画編集ソフトを利用する必要が出てくる。

    また、静止画の撮影も、OS標準とは違った便利な機能を備えている。特に秀逸だと感じたのが、「選択範囲の形状」を指定できる機能だ。通常の方法では、選択したウインドウや選択範囲のみが切り取られるが、この機能を使えば、白い背景上に影付きで表示したり、画像の四隅を丸くカットするといった加工を自動で行ってくれる。これにより、保存した後に画像編集ツールで補正などを行うことなく、見栄えの良いスクリーンショットに仕上がる。

    このほかの特筆すべき便利機能として、撮影したスクリーンショットを書き出す前に、内容をチェックできることを挙げたい。保存前に画像の確認ができ、気が済むまで撮影をやり直せるため、意図しない失敗が少なくて済む。

    マニュアル制作やサポート業務はもちろん、個人用のレクチャームービーやビデオ制作など、多目的に活用できる一本だ。

    (6) ホットキーや保存時のファイル名を自在にカスタマイズ
    [環境設定]タブでは、撮影時のホットキーを好みにカスタマイズできるほか、画像フォーマットごとにファイルクリエータを指定したり、保存時のファイル名や効果音の有無などを設定できる

    AFTER REVIEW

    画面キャプチャツールとしては、文句なく最強だ。パッケージ版になり円建てで購入できるようになったので、海外のシェアウェア登録に消極的なユーザも気軽に購入できるだろう。また、ドルで購入する場合との価格差も少ないのも好感が持てる。ただし、ムービー録画時に音声をAAC形式で保存できない仕様のため、オーディオトラックを含むムービーを直接ビデオiPodで再生できないのは残念だ。

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