柴犬の子犬

毛色はさまざま

■柴犬の歴史
柴犬は、日本古来の小型犬種で、国の天然記念物に指定された犬種の1つです。日本を代表する犬種となっています。

一般に「柴」は背の低い雑木を意味しますが、柴犬の名の由来には「柴の中を巧みに移動し、猟を助けた」、あるいは「毛色が枯れた柴の色に似ている」「古語で小さいを意味する」などの説があります。

柴犬の起源は古く、縄文時代に大陸から日本に渡ってきた人々と、生活を共にしてきたとされます。縄文時代の遺跡からは、埋葬されたものと思われる縄文犬(縄文柴犬)の骨が多く出土しています。昔から本州の各地で飼われ、主に鳥や小動物の狩猟に利用されてきました。地域によって「信州柴」「美濃柴」「山陰柴」「川上犬」など、いくつかのグループに分かれていました。

1936年、柴犬は天然記念物に指定されましたが、その後、他の犬種や洋犬などとの交配が進み、また第二次世界大戦後の食糧難や1952年の犬ジステンパー(犬がかかる感染症)などにより、純血種の柴犬の数が激減してしまいます。

その後、柴犬を絶滅の危機から守ろうという運動が起こり、日本各地の異なったタイプの柴犬同士を交配させる試みが開始されます。やがてその努力は結実し、柴犬は復活を果たしました。

1954年、柴犬はアメリカに渡り、1993年には公認されています。近年、海外でも大変に人気が高く、多くの愛好家が存在します。海外での呼び名も、ずばり「シバイヌ」です。

■柴犬の特徴と性格
天然記念物に指定された日本犬の中で、最小の犬種です。しっかりした骨格と発達した筋肉を持ち、バランスの良い、均整のとれた体形をしています。

短毛で立ち耳、くるりと巻いた尾が特徴です。被毛は上毛が堅く、下毛は柔らかく密生し、雨にも負けない全天候型です。毛色は、赤、ゴマ、黒、虎、白などがあります。

性格は大胆かつ勇敢ですが、飼い主や家族に対してはあくまでも従順です。忍耐強く冷静で、愛情も豊か。純粋で素直な表情も、この犬種の魅力のひとつでしょう。

小型犬には珍しく無駄ぼえはしませんが、他人に対しての警戒心が強く、番犬としても優秀です。

■飼うなら…
家族に対する服従心が強くとても忠実ですが、やや独立心が旺盛な面もありますので、小さい頃からしっかりとしつけ、社会性を身に付けさせることが重要です。

運動量が多く活発なため、毎日の散歩は不可欠です。散歩のコースに変化を持たせ、飼い主と体験を共有させることで、いっそう絆が深まるでしょう。遊びの要素を取り入れたトレーニングも有効です。

■画像提供元
ペットショップ「COO&RIKU」