ジャンクション(JCT)は、道路において複数の車両が異なる方向に進もうとする交通を制御し、交通事故を最小限にするために設けられる施設です。JCTを作る際は、周辺の用地状況や通過する車両交通量などを勘案して、最適と思われる形状としています。
立体交差とランプが生み出す流線型
道路を結節させる方法は、交差点による制御(平面交差)と、ICによる制御(立体交差)に分けられます。
高速道路のJCTで用いられているICは、多量の交通が一点で交わることを防ぐために、異なる高さで交わらせた複数の道路を、「ランプ」という勾配をつけた連絡路で接続させた構造となっています。
それではさまざまなJCTの形状を紹介していきましょう。
三叉路JCTの代表格、「直結Y型」
「直結Y型」は、直結ランプという、右折および左折のランプのみで3方向を接続しています。日本の高速道路における三叉路JCTでは、ほとんどがこの構造を採用しています。
直結Y型の変形で、本線の走行車線から直接分岐する「左折直結ランプ」を組み合わせているため、進行方向を変えることなく走行ができる安全性が高い形です。大きなものからコンパクトなものまで種類の幅は広く、複雑な構造形式で高低差があるものが多いです。
「トランペット型JCT」
「トランペット型JCT」は、くるっと回る連絡道路が特徴的な構造です。その部分がトランペットに似ていることから「トランペット型」と呼ばれています。米原JCTが代表例ですが、東京外環道の大泉JCTもこれに分類されます。
失われた「クローバー型」
日本では鳥栖JCTのみで見られる形状でしたが、車両の混雑に対処するため、2001年に連絡道路「サガンクロス橋」が設置されました。よって、現在では純粋なクローバー型のJCTではなくなっています。
代わりといってはなんですが、変形クローバー型とされるJCTがいくつもあります。そのうちの一つ川口JCTは、タービン型右折とクローバー型右折の組み合わせた形状です。
クローバー型の変形型が「タービン型」です。回転機械というべきタービンの名前にふさわしく、立体交差に伴う高架橋を何カ所も必要とします。近年の技術進歩により、新しく建設されるJCTはタービン型が多くなっています。
このほかに、高速道路同士の接続にもかかわらず、信号機を設置して平面交差にした前代未聞の「直結型」の美女木JCTや、日本一複雑と言われている垂水JCTなども有名です。
JCTの世界は掘り下げれば掘り下げるほど奥が深い、まさに「JCT道」なのかもしれません。