年末になるとあちこちで、ボーナスシーズンのベストバイやら今年買ったモノの特集が組まれているのを目にする。それをここでそのままやるというのもつまらないので、今年(2015年)は「あえて買わなかったもの」というテーマで話をしよう。

満2年を迎える愛用スマホ

こういう商売をしているので、各分野、典型的な製品についてはとりあえず所有することにしている。スマートフォンでいえば、iPhoneとAndroidスマホについてはそれなりの知識を持っていないと話にならない。

iPhoneについては選択の余地がないが、Androidスマホはよりどりみどりだ。ただ、世界シェアという点ではなんといってもサムスンなので、Androidについてはずっとサムスンの製品を使ってきた。その一方で、ファーウェイの伸びも著しく、ここもきちんとチェックしておく必要がある。もちろん、Windows 10 Mobileにも注目しなければならない。

今、日常的に愛用している端末はドコモのGalaxy Note 3。ご存じの通り2年を経過した製品だ。予約して購入したので2013年秋の発売日に入手している。2015年秋のタイミングで2年目を迎えるにあたり、代替端末をいろいろ考えたが、とうとう決めることができなかった。

今年あえて買わなかったもの、それは「Galaxy Note 3」に代わる新しいスマートフォンだ

ずっとNoteシリーズのファンで、初代、Note 2、Note 3を続けて使ってきたので、順当にいくと、Note 5が欲しかったのだが、日本の市場ではこの世代のNoteが出なかった。ちなみに昨年(2014年)、Note 4世代をスキップしたのも、Note Edgeしか出なかったからという言い訳をしておきたい。たぶん、同じような理由で Note 3を使い続けているユーザーは、それなりにいるんじゃないだろうか。

このNote 3、10月頭にはAndroid 5.xことLollipopへのバージョンアップも実現されたし、2年が経過したとはいえ特に大きな不満がない。どうしても次世代AndroidのMarshmallowについて調べたければ、手元にある、これまた次世代をスキップしてしまったNexus 5をリファレンスにすればいい。こちらはGoogleのリードデバイスだから、とっくの昔にMarshmallowにアップデートされている。

ついに本体エラーが出はじめたが……

実は、つい先日、出先で、Note 3に本体エラーが出るようになり、ついカッとなって初期化した。データは全部クラウドにあるので失ったものはLINEのトーク履歴だけだ。結局買い換えかとも思ったのだが、初期化したら正常に戻り、以前にもまして快適そのものになったので、OSバージョンアップのあとは面倒でも初期化した方がいいと再認識したところだ。

外観については、ケースさえつけずにハダカで2年間使ってきたが特に問題はない。ガラス面にも目立った傷は皆無だ。心配があるとすればバッテリだ。たいていの端末はバッテリ内蔵でエンドユーザーが取り替えることができない。バッテリ劣化が機種変更の動機になるケースもありそうだ。

だが、Note 3は交換バッテリがオプションで用意されている。ぼくは、2つのバッテリをとっかえひっかえ使ってきたので、バッテリの劣化もあまり感じない。オプション供給が終わる前にもうひとつ確保しておくかどうかを思案中である。

この端末は2年前のハイエンドだ。プロセッサはクワッドコアのQualcomm Snapdragon 800 2.3GHz、メモリも3GBを積んでいる。現在のミッドレンジの端末と比べ、ハードウェアスペック的にはそれほど遜色がない。もちろんより高速なCA対応といったことは望めないが、実感としてはあと1年くらいは使ってみるのも悪くない。どこまでいけるか試してみようという決断をしたわけだ。

スマホに限らず、パソコンなどでもハイエンド製品を選ぶことは多い。もちろん最新の技術を体験したいというのもあるが、結果として長期にわたって実用的に使えるのでお得な面もあるのだ。もし、ミッドレンジの端末だったら、2年目の使用感は格段に落ちるにちがいない。

誰がどうトクをするか?

さて、この端末、2年前の購入以来、24カ月にわたってドコモの月々サポートとして1,780円/月が戻ってきていた。普通は、それが分割支払い金と相殺されるといったことで、端末の「実質料金」が決まるわけだ。ぼくの場合は、一括支払いで購入しているので、単純に月々サポート適用額は通信費からの減額となっていた。

この「実質料金」というシステムが、端末代とサービス代の区分けをややこしくして価格を不透明にしているといった論調もあるが、普通に利用内訳をチェックすれば、何にいくらかかっているのかは一目瞭然なので、そんなに大騒ぎするほどのことなのかとも思う。

どっちにしても、24カ月経過で、この月々サポート適用がなくなり、ぼくの場合は、しっかりと支払い額が増えてしまう。ドコモに貸していたカネが完済されたということなので当たり前のことなのだが、普通ならこれで機種変更のモチベーションが上がることになるのだろう。

ぼくもまた例外ではなく、従来はSIMフリーのものを買っていたiPhoneをドコモで機種変購入した。その結果、月々サポートは1,998円に増額されたが、ケータイ補償サービス料金が値上がりしたのでほぼ同額だ。もちろん、Note 3はそのまま使い続けている。おサイフケータイなしでの生活は考えられないので、こうするしかない。

来年は、総務省の意向もあり、携帯電話料金については、少し状況が変わることになるかもしれない。その一方で、結局何も変わらないのではないかという論調もある。個人的には、MNPで2年ごとにキャリアを往来するのがいちばんトクというのはどうにかならないものかなとは思う。もちろん、そのことで競争が激化し、サービス向上につながるのは確かなのだが、20年以上同じキャリアに留まっている身としては複雑な気分ではある。そういう意味では、キャリアが端末を売る時代というのは、そろそろ終わってもいいのかもしれない。

(山田祥平 http://twitter.com/syohei/ @syohei)