輪行ができれば楽しみ方がぐんと広がる!

電車や飛行機に自転車を載せるためには、「輪行」をしなければならない。輪行は自転車を袋に詰めるだけと言えばそれだけのことなのだが、この詰めるというのが結構難しい。もちろん、知っておきたいマナーもある。そこで今回、輪行をするなら絶対知っておきたいことを、輪行のプロにうかがった。

「人に迷惑をかけない」ためのマナー

「輪行は『人に迷惑をかけない』、これに尽きるんですよ」というのはアズマ産業の伊美哲也社長。同社は輪行袋などの自転車アイテムを展開しており、伊美さんは全国各地で輪行セミナーも実施している。

自転車は袋に詰めたとしても大きな荷物。そんな荷物を電車に載せるとなると、人の目を引くのみならず、ある程度のスペースをとってしまう。「ラッシュ時に乗ると邪魔になるかも」、「自販機の前で輪行作業すると困る人がいるだろうな」など、気遣いができれば何も問題はない。そこで、より快適に電車で輪行をするためのポイントをまとめてみた。「そんなの基本じゃないか!」と思うかもしれないが、輪行は基本的なマナーの延長線上にある。

・焦らないで済むよう、時間に余裕を持って行動する
・ラッシュの時間帯を避ける
・輪行作業場所はそこが人にとって迷惑にならない場所か確認する
・幅が広めになっていることが多い駅員側の改札を利用する
・電車の最前列、もしくは最後尾に乗る
・集団で輪行する時は特に、自転車がほかの乗客の迷惑になっていないか確認する

ポイントは「一つひとつ丁寧に」

では実際、電車に乗るためにどうやって自転車を袋に詰めるのか。伊美さんは10分くらいでできるそうだが、余裕を持ってできるよう、輪行する時間は30分程度みておこう。輪行を雑にすると、フレームやワイヤーカバーに傷が入ったり、ホイールのスポークが折れたりすることもある。慌てずに一つひとつ丁寧に組み立てていくことが大切だ。まずは家で練習し、輪行本番を迎えていただきたい。

今回はボトルケージにも入れられるコンパクトサイズの、オーストリッチの輪行袋「L-100」(収納袋、中締めベルト3本、肩ベルト付きで6,195円)を使用。エンド金具・リア用(ロード用1,743円)、フリーカバー(ロード用315円)、フレームカバー(1,575円)

必要なもの
輪行袋、エンド金具、スプロケットのカバー、フレームのカバー、ストラップ(3本)、肩ベルト

1)ギアをインナーに入れた状態で前後輪を外し、サドルが下にくるようさかさまに立てる。

2)エンド金具を取り付ける。袋の中では、サドルとこのエンド金具が床との設置点になるので、この2点でバランスが保てるようにエンド金具の角度を調整する。

1,2)車輪を外して、エンド金具を取り付ける

3)スプロケットにカバーをかけてから、前後輪でフレームを挟む。スプロケットが当たる部分にはフレームカバーをしておくと安心だ。この時、袋を抱えやすいようにペダルの位置を調整しておく。

3)カバーをして車輪をフレームに挟む。ペダルは足に当たらない位置に調整する

4)ストラップを3本使って、フレームと車輪を固定する。まず3カ所を仮止めし、その後に各バランスを見ながら3カ所を本締めする。

5)最後に袋に入れれば完了。その前に、肩にかけるベルトを後輪側のフレームに巻き、側面にある穴からベルトを出して長さを調整し、ベルトの端をハンドル周辺のフレームに巻く。

4)ストラップで3カ所固定する

5)肩ベルトをフレームに巻いて袋に収納。ベルトはフロントフォークにひっかけたくらいの長さがベスト

輪行はクロスバイク、ロードバイク、マウンテンバイクなど、前後輪が外せるタイプであれば、基本的に車種を問わずできる。ただし、担ぐことを考えると、なるべく軽い方がいいように思われる。今回は電車での輪行をテーマにしたが、次回は飛行機での輪行のポイントを紹介したい。