「辞令。品川プリンスホテルNタワー、フロント勤務を命じる」。プリンスホテルの専務執行役員で東京シティエリアの統括総支配人を務める武井久昌氏は、10月2日より運用を開始する、デリバリーロボット「Relay」にフロント勤続の辞令を言い渡した。

上記は、9月14日に品川プリンスホテルで行われた記者向け内覧会での様子である。Relayとは、シリコンバレーに拠点を置くロボットベンチャー Savioke(サビオーク)が開発・製造した自律走行型デリバリーロボット。障害物を回避しながらの自動走行に加え、エレベータへの自動搭乗、客室のドア前まで到達した際のホテル利用客への連絡機能などを備えている。

品川プリンスホテルNタワーでの勤務を命じられた、デリバリーロボット「Relay」

利用方法はシンプルで、ホテルの宿泊客よりリクエストがあると、その届け品をRelayに入れ、蓋を閉めるだけで準備完了。Relayは自動的にエレベータ方向に向かい、無線でエレベータに直接アクセスし、扉を開閉し、該当するフロアの客室に到着し次第、ゲストに電話をかける。ゲストがドアを開くと蓋が自動で開き、中のものを取り出せるというシステムだ。また、その際にタッチパネルで5段階の評価ができ、その後はロビーへと同じ要領で戻っていく。高い評価をもらうと体を揺らしながら喜びの音を出すという機能もあり、武井氏は「なによりお客様に喜んでもらえることが導入するうえでの一番のポイント」と説明していたことから、その愛嬌の良さも導入のポイントになったようだ。

自律走行する「Relay」

到着すると、蓋を開けて中のものがとれるようになる

同社のマーケティング戦略マネージャーである大堀昌弘氏は、Relayの将来展開について、「夢のある宿泊」の実現のための新サービスを検討していると説明した。例えば、記念日やクリスマスなどに、Relayがゲストへプレゼントを届けるようなサプライズの演出を行うプランを検討中だという。さらに、SNSでの広告効果などを踏まえたうえで、さまざまな展開を考えていきたい、と今後の方針を語った。