島根富士通は5日、2006年の初回から数えて第12回目となる2017年夏の「パソコン組み立て教室」を開催した。参加は19組。組み立て教室に加え、島根発のプログラミング言語「Ruby」をベースとしたプログラミング教室も併催された。この2017年は、島根富士通で製造されているメディエイタロボット「ロボピン」が応援に駆けつけた。

島根富士通。島根県出雲市に位置し、富士通製ノートPC・タブレット製造拠点として稼働している

富士通研究所が開発したロボピンは、スタッフの制服と同じカラーに塗装され、PC組み立てのアシスタントとしても活躍。ロボピンが自己紹介をすると、参加者から「すごい」「滑らかに話すね」などの歓声が上がった

島根富士通 代表取締役社長の神門明氏と出雲 湯の川温泉キャラクターのやかみちゃん

出雲大社が近いだけに、巫女さんに扮したスタッフが司会進行役を務めた

参加者は、小学生13名、中学生6名の計19組。20組の募集のうち22組の応募があった(うち3件がキャンセル)。県内からの参加が16組、県外からの参加が3組となる。

組み立てるPCは、13.3型の軽量モバイルPC「LIFEBOOK WU2/B1」。約761gという世界最軽量の13.3型モバイルPC「LIFEBOOK UH75/B1」のWebカスタマイズモデルで、最軽量構成時で約787gの軽量13.3型ノートPCだ。カラーはレッドとブラックが選択できるが、レッドを選んだ組が10組、ブラックを選んだ組が9組と、カラーの人気はほぼ半分にわかれた。

パソコン組み立て教室

パソコン組み立て教室の様子

組み立て作業の手順は次の通り。写真で紹介していこう。

  1. メインボード・ファンの取り付け
  2. キーボードの接続
  3. フレキケーブルの接続(3カ所)
  4. スピーカーケーブルお接続
  5. 液晶の取り付け
  6. アンテナケーブルの接続
  7. 電源コネクタの取り付け
  8. SSDの取り付け
  9. バッテリの取り付け
  10. Dカバー(裏面カバー)の取り付け

まずはメインボード(マザーボード)を、Cボード(キーボード面のカバー)の所定位置に置く。次に薄型ファンをメインボードの空いている部分に置き、先にファンケーブルをメインボードと接続した後、メインボードのネジを時計回りで12カ所締めていく

次にキーボードとメインボードをつなぐ、キーボードフレキ(ケーブル)を接続。接続後は抜け防止のため、ケーブルを黒テープで固定する。指紋センサー用のフレキケーブル、インジケータ用のフレキケーブル、クリック/タッチパッド用のフレキケーブルもメインボードと接続。ケーブルを挿してもはっきりわかる手応えがなく、どこまで挿し込むべきかの判断が難しい

スピーカーケーブルを接続したら、液晶をCカバーに取り付ける。 LIFEBOOK WU2/B1のカバーは非常に薄く、製造工程でも取り扱いを注意しないと割れてしまうことがあるとのこと。組み立て教室でも、保護カバーを付けたままの液晶を机に寝かせ、上からCカバーを取り付ける方法で組み立てた

液晶とCカバーを、ヒンジ部のレバーとネジで固定。続いて液晶のフレキケーブルをメインボードに接続する

アンテナケーブルをワイヤレスLANモジュールに取り付ける。モジュールは最初からメインボードに組み付けられていた。ケーブルは灰色と黒の2本で、ケーブルが外れないようシートで留める。その後、電源コネクタをメインボードに接続し、SSDを取り付ける

バッテリをCボード上部にはめ込み、メインボードと接続したら、時計回りで6カ所のネジを締めていく。一通りのパーツを組み込んだのが最右の写真だ

最後はDカバー(底面カバー)を外周12個、ヒンジ近く2個のネジで取り付けて完成。外周を留めるネジは、中央を1つ留めた後は自由な順番で留めていく。完成が近づくと、「終わりだ……!」「ヨッシャー!」といった声があちこちで上がった。自分のスマートフォンで、組み立て中のPC内部の写真を撮影している参加者もいた

組み立て後は全員で一斉に電源を投入。組み立てに参加した筆者は少々不安だったが、電源ボタンを押すと無事に全員のPCが起動した。なお、組み立て教室で組み立てたPCは参加者の購入品だが、そのまま持ち帰りとはならず、一度島根富士通で分解し、製品としての耐久試験や出荷前検査をクリアした上で、後日参加者の元へ届くことになる。

組み立て教室に参加した小学生の女の子は、「楽しかった」と満足げな様子。「ネジをたくさん締めるところがあったが、大丈夫だった」と話していた。

組み立てに参加した筆者も、掛け声に合わせ恐る恐る電源ボタンをポチッ

起動までの時間は数秒だったが異様に長く感じられた。……無事に起動して一安心

サポートスタッフと記念撮影する参加者も

メインボード製造ラインの見学

島根富士通では、富士通ブランドのノートPC、タブレットPCの製造拠点となっている。「LIFEBOOK WU2/B1」の組み立てが終わると、メインボード製造ラインの見学に加え、電動ドライバによるネジ締め体験イベント、タッチパネル/キーボードの動作を確認する動作試験体験イベントが行われた。

電動ドライバによるネジ締め体験イベントでは、ネジ締めの"匠"が登場。参加者と10個のネジ締め速度を競い合った

タッチパネル/キーボードの動作を確認するイベント。画面上に映し出されたキーを入力し、見本と同じ画像をタッチしていく

筆者(左)に似ている! と話題になった、島根富士通のスタッフさん(右)

「LIFEBOOK UH75/B1」「LIFEBOOK WU2/B1」のキーボード組み付けの機械。本体が薄型のため、キーボードは小型のネジ70個を人力+機械でCボードに留めている。人力部分は最初の2個で、ネジの位置決めのためとのこと

プログラミング教室

工場見学後に併催されたプログラミング教室は、組み立て教室で実際に組み立てたPCを使って行われた。プログラミング言語は「Ruby」をベースに、ブロックを組み合わせる操作で簡単に命令を組み立てられるようにした「スモウルビー」が使われた。

小学生は、見本に挙げられた「追いかけている車から逃げる人」をプログラミングした上で、各要素をカスタマイズ。中学生は、要素を組み合わせて独自のプログラムを作成。スモウルビーでは、命令を「ブロック」で表示するモードと、通常のRuby言語で表示するモードを1クリックで切り替えられる。参加者は「ブロック」で作ったプログラムを、Ruby言語に切りかえ、プログラミングによる動き方を確認していた。

親子で相談しながらプログラミングを進めていく

作ったプログラムは、配られたUSBメモリに入れて持ち帰ることができた

子ども達が講師の近くで説明を受けているときは、席に残った親がプログラムを試す場面も

スモウルビーで作ったプログラムはRuby言語でも表示できる