かっぱ寿司が7月14日まで実施した「食べ放題」企画が成功を収め、8月後半に再び実施される予定だ。以降もシリーズ的に継続していく予定だという。
食べ放題企画が継続へ
かっぱ寿司が実施した食べ放題企画は、6月13日から7月14日までの期間中、平日14時から17時まで、80品種以上が70分間食べ放題になるというもの。全国21店舗の限定トライアルだったが、開催初日から行列ができるほどだった。
運営元のカッパ・クリエイトによると、開催初日の利用者数は3999人、一日の最多利用者数は5415人、延べ利用者数は11万5765人で、時間帯比較で通常営業時の3倍から4倍の客が訪れたとしている。
そもそも、食べ放題企画の最大の狙いは、店舗内のお客がまばらになる平日14時から17時のアイドルタイムの活性化。対象店舗を絞ったことについても、満足のいくオペレーションができるのかを見極めを行うためだったが、収支的にもプラスに向き、大成功を収め、今後も食べ放題企画を継続していくようだ。
同社マーケティング部の牛尾好智部長によると「具体的な日にちは言えないが、8月の後半からまた展開していく」(以下、発言同氏)と明かす。時間帯についても平日14時から17時という線は変わりなく同じだ。
ただし、対象店舗については、今回同様に約20店舗程度とするものの、「多数の店舗でやって欲しいという要望をいただいている。順番に回る形がいいと思っている」としており、前回とは違った店舗で企画が実施されるようだ。
食べ放題が生み出した効果
食べ放題企画の成功は、新生かっぱ寿司を多くの人に体感してもらうという意味でも朗報だ。近年、カッパ・クリエイトの業績は不調が続き、昨年度は赤字に転落した。改善を図るべく昨年10月より、リブランディングを進めて店舗改装を実施。食べ放題の対象外となるが、三陸産生銀鮭、鹿児島県産のうなぎなど国産ブランド魚を取扱い、寿司もネタの取扱い方法の変更などを通じて、おいしさ・品質の向上に努めてきた。
国産ブランド魚プロジェクトなどを通じてこだわりの商品も提供 |
「数年前は店舗のつくりや品質面での指摘を頂いていたが、食べ放題企画を通じて、ネタの鮮度がよくなった、久しぶりに来たらおいしくなっていた、といった意見も多数もらっている」とし、新生かっぱ寿司を体感してもらうための絶好の機会となったようだ。
今後も続く食べ放題企画は業績にどれだけ好影響を与えられるのか。20日から女優の吹石一恵さんが女漁師役として登場するかっぱ寿司の新CM「やる、しかない。」シリーズが放映されるが、近年の業績を見るに、言葉通り"やるしかない"のが同社の現状。その精神でどれだけ挽回できるだろうか。