KDDIが30日に開催した「au発表会 2017 Summer」で、同社の田中孝司社長は、NTTドコモの「docomo with」に対抗するプランを準備していることを明らかにした。docomo withのターゲットとなるミドルレンジスマートフォン市場が今後、熱くなりそうだ。

質疑応答で応えるKDDIの田中孝司社長

auも久々にガツンといこうかな

KDDI発表会の質疑応答で、ドコモに対抗する新料金プランの用意の有無について、田中孝司社長は「(2017年のKDDIのテーマは)やってみようとういことでして、ドコモさんがリリースされておりますので、auも久々にガツンといこうかなと。言ってはいけないといわれたのですが、言っちゃいました。もう少しお待ちを」と笑いながらコメントした。

この発言により、KDDIは対抗プランを用意していることが明らかとなった。新料金プランの内容に関しては一切踏み込まなかったものの、docomo withと同様のプランとなれば、ターゲットとなるのは、2~3万円代のスマホとなりそうだ。そして、この価格帯はMVNOが販売する売れ筋の端末と同価格帯ともなる。

docomo withは、定価で対象のスマホを購入することで、毎月1,500円が半永久的に値引きされる仕組みの料金プラン。対象端末のスペックは値段が示すようにハイスペックではないものの、ウェブ検索やカメラの利用、音声通話などでは何ら問題はない。

端末のスペックや料金から推測するに、スマホのスペックに強いこだわりはなく、大手携帯電話会社のサブブランドや格安通信を展開するMVNOに魅力を感じつつあるユーザーをつなぎとめる効果が見込まれるものだ。

ドコモではサブブランドを設ける考えがなく、docomo withでユーザー減少を図る考えだ。対して、KDDIはUQ mobile、ソフトバンクはワイモバイルという受け皿があるものの、両社ともに収益が高いKDDI、ソフトバンクのユーザーとして囲い込んでおきたいのは一緒だろう。

通信キャリアのこれまでの施策から、ドコモ、KDDIが同様のプランを打ち出せば、ソフトバンクも、といったように3社が同一の施策を展開することが多い。KDDIに続き、ソフトバンクが加わっても何ら不思議はない。今まではあまり見向きされなかったミドルレンジスマホ市場を巡って、熱き戦いが勃発する現実味が帯びてきた。