『ウマ娘プリティーダービー』のCDアルバム「STARTING GATE 05」リリースイベントが4月29日、都内某所にて開催された。

イベントには同CDで楽曲を歌っているエルコンドルパサー役の高橋未奈美、テイエムオペラオー役の徳井青空、ラジオ「ぱかラジッ!~ウマ娘広報部~」のパーソナリティでスペシャルウィーク役の和氣あず未、トウカイテイオー役のMachico、Cygamesの石原章弘コンテンツプロデューサーが出演。ここでは昼の部の模様を紹介する。

『ウマ娘プリティーダービー』は、Cygamesが開発中のスマホゲームアプリ。主役となるのは、実在の競走馬を擬人化した「ウマ娘」という人ならざる不思議な美少女たちだ。作中ではウマ娘たちが学園で過ごす日常や、レースやライブステージで切磋琢磨する様が描かれる。『ウマ娘』は先日TVアニメ化が発表されたほか、7月1日にスタートアップイベント【ウマ娘 1st EVENT「Special Weekend!」】が舞浜アンフィシアターで開催されるなど、いよいよ動きが本格化してきた印象が強い。

おなじみのファンファーレと共に、テーマソング「うまぴょい伝説」でイベントはスタート。徳井がステージで「うまぴょい伝説」を歌うのはこれが初めて。ウマ耳にポニーテールで歌う徳井の姿はとても新鮮だ。初ステージについて聞かれた徳井は「余裕だったけどね?」と得意顔。曲中すっかり定着した「おれの愛馬が!」コールには、徳井、高橋共にびっくりした様子だった。高橋は振付の動きの大きさ(大きく見えるとかではなく実際に動きが大きい)にも性格が見えるようで楽しい。トークでは、何故か高橋のウマ耳だけやや作りが精巧であることが話題になっていた。

楽曲についてのトークでは、高橋は演じていくうちにエルコンドルパサーのイメージが初期ボイスとは少し変わってきたことを紹介。ソロ曲の「L's Surprise!!」は初期に収録した自己紹介ボイスのエルコンドルパサーのイメージに近いこと、ちょっとイメージは変わったが、エルコンドルパサーのベースにある元気さは変わっていないことを語っていた。

徳井演じるテイエムオペラオーの「帝笑歌劇~讃えよ永久に~」は、こう書いて"ていえむおぺら"、と読む。徳井が「歌詞と台詞がとっても多くて、ちょうてーん! が見せ場」と語ると、高橋はこの曲が大好きで、自分の曲よりも聴いていると絶賛していた。

客席の評価の順位を予想して当てる身体を張った頭脳戦コーナー・出張版「さんれんたん!」では、今回は高橋、徳井、Machicoが対決。ところが「3人の中で誰がかしこそう?」というお題では、なんと全員が「徳井1位、高橋2位、Machico3位」を予想して、会場もその通りに答える鉄板レースだった。余談だが、せっかくだからと"和氣が一番かしこいと思う人"の拍手を募ると反応はまばら。完全なもらい事故だが、高橋からは「うちの後輩、頑張っておりますのでよろしくお願いします!」と思わぬところで事務所の先輩後輩関係が見えて会場をなごませていた。

2問目の「(彼女を)エスコートするのが上手なのは?」というお題は、恒例のエチュード問題。3人プラス和氣が彼氏役を演じた上で、誰のエスコートが良かったかを客席が投票。その投票順位を演技前にフリップで予想する流れだ。全員自分を最下位に予想しているのが面白い。

一番手のMachicoはモノローグましましで熱い演技を見せたものの、待ち合わせのシーンが終わらないうちに落雷から彼女(和氣)をかばって力尽きてしまった。ここで和氣が放った「まちお、エスコートしてー!」の叫びに、石原CPを含む会場中が確かにエスコートしていない、と納得している様子だった。

高橋はチャラいイケメン風に演技。いちいちからだをひねって彼女の顔をのぞきこむ感じがウザ面白い。徳井はなんでも望みを叶えてくれる怪しい外国人男性(富豪風)を演じて爆笑をさらったのだが、3人終わった時点でまともにエスコートしていたのが徳井だけだったこともあり高評価だった。

最後にボーナストラック的に和氣もチャレンジしたのだが、彼女(徳井)の第一声が「(今度は外国人女性風に)オーマイガー?」だった時点で和氣が爆笑してしまいギブアップ。拍手投票の結果、演技評価が最下位でしょんぼりしていたMachicoだったが、実は順位予想はズバリ賞。商品のにんじん(豪華賞品)ゲットですっかり気を良くしていた。

ミニライブコーナーでは、まず和氣が久々の「わたしの印は大本命◎」を披露。前向きで一生懸命な感じで、見ている側が元気になるようなパフォーマンスだ。和氣自身はウマ娘のステージを数多く経験してきたこともあり、『STARTING GATE 01』リリースイベントの披露時に比べると表現にも少し余裕が出てきた様子。「大本命」のフレーズに合わせて大きなハートをステージに描いていた。

高橋は赤く明滅する照明の中、「L's Surprise!!」で疾走感のあるステージングを披露。サビ前の「L」の字を示す振付が印象的だ。客席のコールをどんどん呼びこんでいったり、いわゆる「PPPH」のテンポに合わせてリズムをとったりと、客席と一緒にステージを楽しんでいる感じだ。曲が後半に入って音程やテンションが上がるほどボーカルの調子も上がっていき、まだアシを残していそうな底しれなさを感じる歌唱だった。

「帝笑歌劇~讃えよ永久に~」の徳井はかっこいい系の少年っぽい声質で、「ビューティフォー!」「ゴージャス!」とセルフ掛け合いを繰り広げる大物感がすごい。印象としては楽しさ、面白さが先にたつのだが、曲調がガラッと変わっても独特の歌唱のトーンを変えずに追いかけてくるのは地力の高さを感じる。ポニーテールをひるがえしながら歌い踊る姿はまさにステージの王様だったが、讃えるがいい!と目もとを示してぱちんとウィンクをキメる感じがキマりすぎてズルいくらいだ。

3人曲「世界は僕らの言いなりさ」では、今回お休みの大西にかわってMachicoが入ってのスペシャルバージョンを披露。壮大な歌劇風の楽曲だが、振付も加わってレビューショーのような雰囲気だ。楽曲との相性も相まって、徳井のケレン味のある存在感は素晴らしく、実力者の高橋とMachicoに挟まれてなおその主役っぷりは群を抜いている。ラスト、「I can win for you」のフレーズで徳井が左右を見て2人と視線を合わせ、「Forever」でキメる感じが印象的だった。ソロ曲の「帝笑歌劇~讃えよ永久に~」がとてつもなく強い楽曲だけに、7月の【ウマ娘 1st EVENT「Special Weekend!」】に徳井が出演できないことが心から惜しいと思う、それぐらい印象的なパフォーマンスだった。

全体を振り返ると徳井のテンションにぴったりと合わせていく高橋との相性が抜群で、ここにメジロマックイーン役の大西が加わったらどうなるのか、いずれ勢揃いする日が楽しみになるイベントだった。夜の部での石原氏の発言によれば、7月1日の【ウマ娘 1st EVENT「Special Weekend!」】は既存『ウマ娘』楽曲を全て網羅した内容になるとのことなので、そちらも楽しみにしたい。