キヤノンから、ミラーレスカメラの新作「EOS M6」が発表された。2015年に発売された「EOS M3」の後継機にあたり、新たに「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載するなど基本性能を高めている。発売は4月上旬。今回はEOS M6の試作機と既存モデルのEOS M3を比較しながら、その進化点をチェックしていこう。
ボタンやダイヤルが整理され、操作感が向上
まずは「EOS M6」と「EOS M3」のそれぞれに標準ズーム「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」を装着し、新旧2台の外観を見比べてみた。パッと見の印象は大きく変わらず、遠目で見分けることは難しい。手にしたときのサイズ感と重量感にも大差はなく、どちらも気軽に持ち運べる小型軽量ボディだ。
正確には、EOS M6の外形寸法は幅112×高さ68×奥行き44.5mm。EOS M3に比べて幅が1.1mm、奥行きが0.1mmそれぞれ増している。本体重量については、24gアップして約343gとなっている。
細部をチェックしていくと、ボタンやダイヤルの操作部にさまざまな改良が加わっていることに気付く。順に挙げると、電源スイッチの位置が移動し、形状はボタン式からレバー式に変更。シャッターボタンの周囲にあるメイン電子ダイヤルはやや大型化したうえでローレットが改良され、回しやすくなった。
露出補正ダイヤルの同軸下にはサブ電子ダイヤルが追加。それに伴って露出補正ダイヤルは、ボディから一段高い位置に設置された。背面ボタンの数と配置は同じだが、割り当てが変わっている。また側面にはWi-Fiボタンが新設された。
外装は主に樹脂素材で、グリップ部にはシボ処理を施したラバーを配置。ラバーの面積が拡大し、背面や左側面の手触りが良くなった。カラーバリエーションは、シルバーとブラックの2モデルを用意。今回使った試作機は、ブラックのモデルだが、EOS M3がツヤ消しの黒であるのに対し、EOS M6はややツヤのある明るいグラファイトブラックとなる。
EOS M6 (左) は、サブ電子ダイヤルの追加によって、各種設定値を素早く調整しやすくなった。また、メイン電子ダイヤルの操作性向上や、電源レバーの新設もありがたい改良だ。以下、写真は向かって左がEOS M6、右がEOS M3 |
これらのデザインと操作面の改良は、昨年11月に発売されたEVF標準装備の上位モデル「EOS M5」にならったもの。ただしEOS M6は、標準ではEVFが非搭載であるため、EOS M5で採用されたダイヤルファンクションとタッチ&ドラッグAF機能は搭載していない。