10月22日・23日、東京・中野サンプラザで秋のヘッドフォン祭 2016が開催。今回は、iPhoneとの組み合わせを意識したLightning直結タイプや、Bluetooth対応のイヤホンが多く出品されていた。気になった製品をまとめて、ここに紹介していきたい。

好みの音を登録できるLightning直結イヤホン

HP-NHL21

ラディウスは、iPhoneとの"連携"をうたうLightning直結イヤホン「HP-NHL21」を置いていた。イヤホン本体にイコライザーやサラウンド効果を登録し、音楽再生中に、曲の雰囲気を好みに合わせて切り替えられるという製品だ。

登録機能を使うには、iPhoneに音楽再生アプリ「NePLAYER Lite」をダウンロードすることが必要。アプリを使うことで、「ポップ」「ロック」などのイコライザーと、「アリーナ」「野外ライブ」などのサラウンド効果を、それぞれ4種類までHP-NHL21に登録できる。

イコライザーとサラウンドはアプリ「NePLAYER Lite」から選択。いずれも4種類ずつ登録できる

たとえば、イコライザーとして「ポップ」「ロック」「クラシック」「ジャズ」の4種類を登録したとする。この場合、シルバーのボタンを1回押すと「ポップ」から「ロック」に、もう一度押すと「ロック」から「クラシック」に……と、ボタンをポチポチ押していくことで登録した4種類のイコライザーを次々切り替えられる。

HP-NHL21のリモコンには、音楽の再生/一時停止、曲送り、曲戻し、音量などを操作する3ボタンのほか、色が異なる"第4のボタン"を搭載。イコライザーとサラウンドは、このボタンで切り替える

サラウンドも同様で、1回ボタンを押すと次の効果に変わる。イコライザーの操作からサラウンドの操作に切り替えたい場合は、ボタンを素早く2回押す。

パターンさえ覚えてしまえば、手元を見ずに操作できるようになるので、曲に合わせて楽しく使えそう。ランダムで音楽再生していても、元気のいい曲は「ポップ」のイコライザーで、ライブ音源は「ライブハウス」のサラウンド効果で……と、パッパッと切り替えながら曲にあった効果を楽しめるだろう。

ちなみに、イコライザーはアプリでオリジナルに設定したものも使用可能。好きなアーティストのために「○○(好きなアーティスト)の魅力を引き出せる最強のイコライザー」を作ったら、熱くなりそうだ。

完全ワイヤレス「EARIN」にブラック登場

モダニティからは、大ヒットした完全ワイヤレスイヤホン「EARIN」のマイナーチェンジモデル「EARIN-M1」が初披露された。

EARIN-M1のブラックカプセル版

プレーヤーとの接続だけでなく、左右イヤホン間の接続もBluetoothで行う点など、従来のEARINとスペックや機能は共通だが、新たにブラックカプセル版をラインナップに追加。また、希望小売価格を従来の29,800円から24,800円に値下げする(いずれも税別)。発売は10月下旬の予定。

革張りのBluetoothイヤホン

Klipschは、未発表のBluetoothイヤホンとして「X12 Neckband」「R6 Neckband」の2機種を参考出品していた。いずれもネックバンドに本革をあしらっており、スーツなどにもマッチしそうな美しいデザインだ。

X12 Neckband

R6 Neckband

汗への対策として、ネックバンドはIPX4相当の防水に対応。コーデックはSBCやAACのほかapt-Xをサポートし、音質面も力を入れた。米国での価格はX12 Neckbandが399ドル、R6 Neckbandが179ドル。国内での発売予定は未定だが、年内の投入を目指すという。

X12 Neckbandのみ2色を用意する

Klipschブースでは、来日中のプロダクトマネージャー Vlad Grodzinskiy氏と、エンジニア Andrew Doerr氏から話を聞けた。

新製品については「ピュアで美しい音を出す『X12 Neckband』に対し、『R6 Neckband』はパワフルで元気のいい音を実現した」と音質の傾向を説明。今後のBluetoothイヤホンの展開については、「ネックバンド型のBluetooth製品はとても重要な市場であり、注力していく。今後は折りたたんでサングラスケースに入るネックバンド型イヤホンや、ネックバンド部とイヤホン部を着脱式にして、ネックバンド部に別のイヤホンを取り付けられるようにしたい」と笑顔で語った。

左から、プロダクトマネージャー Vlad Grodzinskiy氏と、エンジニア Andrew Doerr氏

圧倒的な美音

音のクオリティを求める人に注目してほしいのは、AUDEZE(オーデジー)の新作イヤホン「iSINE 10」「iSINE 20」。平面駆動型とよばれる、フラットな形の振動板を採用した製品だ。ケーブルは着脱式だが、標準付属するのはLightningケーブルなので、iPhoneと直結できる。米国での価格はiSINE 10が399ドル、iSINE 20が599ドル。国内では12月上旬に発売予定だ。

iSINE 10

iSINE 20

iSINE 10を聴いてみたが、あまりの澄み具合、情報量の多さ、音場の広さに正直かなり驚かされた。セミオープン型のため、電車などで使う場合は音漏れが気になるかも知れないが、そんなことがどうでもよくなるぐらいのみずみずしい音を聴いてしまった。これまで高級なイヤホンを使ったことがない人にこそ一度試してもらいたい、超美音イヤホンだ。

イヤーピースを耳に軽くはめ、白いフックをかけて装着する

ケーブルはLightning接続で、リモコンを備える