説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneを「冷ます」いい方法は?』という質問に答えます。

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電流が流れることにより電子部品は機能を発揮しますが、一方では抵抗により熱を発します。熱は放熱板(ヒートシンク)やファンで外部へ排出することになりますが、気密性が高いうえにCPUやGPUなど発熱量が大きいチップを積むスマートフォンの場合、放熱はなかなか悩ましい問題となっています。

iPhoneも例外ではありません。たとえば「Pokemon GO」のように各種センサーや高度な画像処理を行うアプリは、CPU/GPUに高い負荷をかけるため多くの熱を発します。ファンこそ内蔵していないものの、金属製のボディに熱を伝えヒートシンク代わりにすることで、効率的に放熱しているのです。高負荷時にiPhoneがある程度の熱を持つことは、むしろ適切といえるでしょう。

ただし、触れてみて熱かったからといって「急速に冷やす」ことは禁物です。急速に冷却すると、iPhone内部の空気に含まれる水蒸気が水になり(結露)、それがICなどに付着すれば故障の原因につながります。夏場であれば、保冷剤を載せたり冷蔵庫に入れたりすることは避けましょう。

エアコン吹き出し口付近に置くことも避けましょう。たとえば、クルマのダッシュボードにカーナビ/ドライブレコーダーとしてiPhoneを置くことがありますが、設置場所をエアコンの吹き出し口付近にしてしまうと、温度差により結露が発生する可能性があります。

iPhoneを「冷ます」方法ですが、徐々に周囲の気温を下げることが原則です。扇風機の風を当てる、冷房の効いた部屋へ持ち込む、といった方法が無難でしょう。熱伝導率の高さを生かし、室温程度の金属製品をあてがうという方法も悪くありません。もっとも、そうまで工夫してiPhoneを冷やす必要はなく、高負荷なアプリを終了させて数分程度放置すれば、iPhoneの外装温度は室温レベルにまで下がるはずです。慌てないこと、それがもっとも適切な「冷ます」方法です。

iPhoneを急いで冷ますと結露が発生します。エアコンの冷気を直接受けるような温度差の激しい場所に設置することは避けましょう