説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『メールの添付ファイルは圧縮しなくていいんですか?』という質問に答えます。

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パソコン普及期からメール(インターネットメール)を利用してきた人にとって、いまどきのメールマナーは不可解に映ることでしょう。JPEG写真やPDFは言うに及ばず、WordやExcelといったオフィス文書も未圧縮のままメールに添付されていることは珍しくありません。添付ファイルは圧縮するのがマナーだろう、それもLZHで! などというツッコミが聞こえてきそうですね。

確かに、現在でも添付ファイルはサイズが小さいほうがベターです。通信回線がよくて128kbps程度だった時代と異なり、いまやスマートフォンでもその数十、数百倍が当たり前の速さという時代ですが、いまなおメール1通あたりの最大容量は10、20メガバイトというメールサービスが大半です。制限を超えるサイズのファイルを添付したメールは、メールサーバに扱いを拒否されてしまい、相手のメールボックスに届きません。

とはいえ、iPhoneに標準装備のメールアプリにファイル圧縮機能はありませんし(解凍機能はあります)、添付ファイルは圧縮して当然という風潮もなくなりました。相手のところに無事届けばOK、容量制限に触れなければ(解凍の手間がない)未圧縮ファイルのほうがお互いにラク、という効率重視の時代です。圧縮ファイルを受け取ることはあっても指定されないかぎりは送信しない、というスタンスで問題ないでしょう。

幸い、iOS 9.2以降のiCloudメールでは「Mail Drop」という機能を利用できます。厳密にいえば添付ファイルではなく、対象のファイルを一時的にiCloudストレージ上へ保存し、そのありかへのリンクをメールに記載し相手にダウンロードを促す方法でファイルの授受を行います。

仕組みはともかく、Mail Dropは最大5ギガバイトものファイルを扱うことができます。それだけのファイルサイズともなれば、圧縮/解凍は手間が増えるためかえって敬遠されます。気軽に未圧縮のまま添付してしまいましょう。

かつてほど「添付ファイル」の扱いはシビアでなくなりました。iPhoneの場合、Mail Dropで大容量ファイルを送信できるぶん、より気楽です