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妊娠中は、いつもより食事に気をつけているものの、やっぱり不足しがちな栄養素があります。その内容を知って、具体的な対策をとれると良いですね! 今回は、エームサービスで管理栄養士をされている西山英子さんに、お話を伺いました。

―妊娠中に不足しがちな栄養素を教えて下さい

代表的なものとしては、鉄分、カルシウムなどがあります。今回は、鉄分についてお話ししましょう。

貧血の原因の多くは、鉄分不足から起こる

―鉄分とは、どんな栄養素で、不足するとなぜ困るのでしょうか?

鉄分は、ヘモグロビンを作る材料です。ヘモグロビンは体に酸素を行き渡らせる赤血球の構成要素のことを指します。「貧血」とは血液が薄くなった状態(ヘモグロビン濃度が低い状態)のことを言うんですね。鉄分が足りない状態を意味する「鉄欠乏性貧血」は、貧血の80~90%を占めています。

貧血になると酸素を運べなくなるので全身が酸素不足になります。母体には、だるさ、めまい、動機や息切れなどの症状が出ます。胎児にも充分な酸素が行きわたらないので、発育に影響が出ることもあります。

妊娠初期は1日13mgを目安に!

―鉄分の必要量と、多くとれる食品を教えて下さい

厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、妊娠初期の推奨摂取量は13mg、妊娠中・後期の場合は25.5mgです。妊娠が後期になるにつれ、鉄分をしっかりとる必要があります。

鉄分を多く摂取できる食品としては、レバー、シジミ・アサリなどの貝類、ひじき、青のりなどです。鉄分2.0mgを摂取できる目安は、鶏レバー20g、かつお100g、鶏卵2個です。

鉄分を多く摂取できる簡単レシピ

―鉄分を多く摂取できるレシピを教えて下さい

小松菜とあさりのバター炒めがオススメです。1人分で、鉄4.7mgを摂取できます。

・材料
小松菜 60g / あさり水煮缶 10g / バター、塩、こしょう 適宜

・作り方
(1)小松菜を食べやすい大きさに切る
(2)フライパンを火にかけてバターを溶かし、小松菜、あさりを入れ火が通るまで炒める
(3)塩、こしょうで味つけし、皿に盛って完成

鉄分を多く摂取できる間食

―鉄分を多く摂取できる間食を教えて下さい

オススメは干し芋ですね。50gで、鉄1.1mgを摂取できるのでかなりお手軽です。

―ありがとうございました

取材協力

西山英子さん(エームサービス 管理栄養士)。給食事業を受託するエームサービス内の研究・開発部署で、イベントの企画・開発や栄養指導などの業務に携わる。

筆者プロフィール: 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ。大手商社勤務を経てフリーライターへ。HP「主婦er」にて、主婦生活に役立つ情報を発信中。とりわけ、マネーワークショップを主宰することで「家計運営の基盤づくりの啓蒙」に力をいれている。