ヴェルト「セレンディピティ」
最後にもうひとつ、日本国内メーカーの製品をご紹介しよう。ウェアラブル製品・サービスを開発、販売する株式会社ヴェルトの「セレンディピティ」だ。他のスマートウオッチと少々趣を異にするのは、セレンディピティがユーザーとスマートフォンを積極的に結び付けるものではなく、むしろ遠ざける存在として開発されているところ。
メールやSNSの着信通知機能は持つが、それはユーザーがスマートフォンの画面を見る回数を減らすため。通知情報についてもアプリ・送信者・タイトル・冒頭部に絞り、小型ディスプレイに短文で表示。また、アナログ時計のダイヤルに埋め込まれたLEDランプ「ヴィヴィッド ループ」により、スケジュール通知などを直感的に美しく演出する。
これらは、情報の波に揉まれたせわしない毎日において、情報過多とならないよう、また、視線をスマートフォンに奪われ過ぎないようにする機能として実装されているという。
対応環境はiOS 7以上のiOS端末。時計の設定やショートカットの登録などは専用アプリで簡単に行える。また、活動量センサーを搭載しており、睡眠の深さや運動量の確認、事前登録地点へのタクシー配車(東京地区のみ)なども、簡単なボタン操作で可能だ。
セレンディピティは、こうした高機能を搭載しながら、デザインからはデジタルガジェット的雰囲気を徹底して排除。質感の高さやファッション性を強く意識している。ケースのポリッシングと組み立てを、日本の職人がひとつひとつ手作業で行うほどのこだわりだ。ちなみにユニセックス仕様で、メンズ、レディースの区別はない。バッテリーは、スマートフォン連動機能とアナログ時計部で別々に搭載。前者は充電式で、待機状態で約1週間持続。後者の電池寿命は3年間。
2016年夏の最新作
そして2016年夏、シリーズの最新作が登場する。京友禅を使ったデニムを作る「京都デニム」とのコラボレーションモデル「モデルV ナイトブロッサム」(16万8,000円)だ。
新たにAndroid 5.0以降に対応、通知情報をさらに制限する「MIP」(Most Important Person)機能を搭載した。MIPは、あらかじめ登録した人からのメッセージだけを表示する機能だ。また、専用アプリも刷新される予定となっている。
ケース外径は48mm、厚さ15.6mmと、かなり大振り。重量は76g。ケースの素材は、ローズゴールドIPのステンレススチール。風防はサファイアガラスで、防水性能はIPX7の日常生活防水。ダイヤルとバンドはデニム。