E-girlsのメンバーとして3年連続で紅白出場を果たしたDream Amiが、また一つ大きな夢をかなえた。映画『ズートピア』(公開中)で、子供のころから大好きだったディズニー映画の主題歌に決定した時は「夢のような感覚」だったという。

本作は、動物たちが人間のように暮らす楽園"ズートピア"を舞台に、ウサギのジュディが新米警官として奮闘する姿を描いた物語。Amiが歌う主題歌「トライ・エヴリシング」は、ジュディの前向きなメッセージが込められた応援ソングとなっている。この歌でAmiは、これまでのかわいらしい印象とは違う力強い歌声を披露。「新しい自分の表現が見つかった」と新境地を開いたようだ。

日本公開に先駆け公開された全米では、『アナと雪の女王』『ベイマックス』を超え、ディズニー・アニメーション史上No.1のオープニング記録を達成した本作。早くもアカデミー賞の話をする人もいるほどの話題作で日本版主題歌を担当したAmiに、制作秘話や歌に込める思い、本作と自身の経験の共通点などを聞いた。全3回にわたって紹介する。

――「夢のような感覚」と感激されたディズニー主題歌抜てき。実際に挑戦してみていかがでしたか?

『ズートピア』主題歌を歌うDream Ami

最初にシャキーラさんバージョン(英語版)でこの歌を聞いた時に、シャキーラさんの歌力、パワーがすごいなと圧倒され、それを日本版で自分が歌った時にパワーダウンしてしまうんじゃないかと弱気になった部分もありました。そして、いつもとは違うアプローチをしないときっとこの曲は歌いこなせないと思い、いろんなことを考えながらレコーディングに挑みました。

――いつもとは違うアプローチとは?

自分が得意とするのは、"力強い"というより"かわいらしい"という部分かなと思っていたんです(笑)。ただ今回の曲は、ストーリーの中でもヒロインのジュディの背中を押すような曲であり、シャキーラさんの力強い歌声というのもあり、力強く歌ってみたらどうなるんだろうと思いながら歌ってみたんです。

――"力強く"というのは難しかったですか?

難しかったというのもありますし、「えっ! 自分じゃない!」という違和感も最初はあって、「本当にこれでいいんですかね?」とディレクターさんとも話し合いながら録っていました(笑)。でも、完成したものを聞いたら、また新しい自分の表現が見つかったなと思いましたね。

――この曲で開拓した"力強さ"は、今後の楽曲にも生かされそうですね!

そうですね! 今後歌っていく楽曲の幅も広がるんじゃないかなと思います。

――本作で同曲を歌うズートピアのポップスター・ガゼルの日本語吹き替えも担当されましたが、そちらはいかがでしたか?

すごく恥ずかしかったです(笑)。もちろん、こんな光栄なことはなかなかないので、精いっぱい取り組ませていただきましたが、演技することに対する恥ずかしさや照れくささがあり、初めての経験でもあったので、戸惑う部分が最初は多かったです。

――ガゼルはセクシーでしたよね。

存在的にもズートピアのポップスターで、衣装も常にセクシーなものを着ているキャラクターでしたが、セクシーというのは自分の苦手な分野だと思っていたので、それをどうやって出したらいいんだろうと…。アメリカ版のガゼルのイメージと変わらないようにというのは、プレッシャーでもありましたし、難しい部分でもありました。また、オーバーに表現しないと伝わらないんだなとも思いました。

――完成した映画を見た周囲の反応はいかがでしたか?

日本語吹き替え版の試写会をE-girlsみんなで見に行かせていただいて、みんなが隣にいる中で見たんです。隣にいたAyaちゃんは、この話が決まった時も自分のことのように喜んでくれましたが、試写会の時も自分のことのように思っているのか、Amiがしゃべり出した瞬間、めっちゃ笑ってました(笑)。たぶん恥ずかしかったんだと思います。

――愛を感じますね(笑)。主題歌については、どんな反応でしたか?

みんな「いい歌ですね」って言ってくれましたし、今は楽屋で歌ってくれる子が多いんです。鼻歌だったり、無意識に歌っている感じで、それがまたうれしいですね。

――ディズニーの主題歌というと、『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー」が社会現象になりましたが、Amiさんが歌う「トライ・エヴリシング」はどのような曲になってほしいと考えていますか?

目指すは『アナ雪』の「レット・イット・ゴー」だと思うのですが(笑)、夢や目標をかなえようとしている人の背中を押すような歌詞になっているので、新生活を始めた人やかなえたい目標を持っている人には特に聞いてもらいたいですね。また、覚えやすく簡単なメロディーになっているので、小さい子にもお遊戯会とかで歌ってもらえたらうれしいなと思っています。


■プロフィール
Dream Ami
1988年5月11日生まれ。大阪府出身。2003年、dream(現Dream)に加入しデビュー。2011年よりE-girlsの中心メンバーとしても活躍し、2013年より紅白歌合戦に3年連続出場。2015年7月に、シングル「ドレスを脱いだシンデレラ」をリリースし、E-girls初のソロデビューを果たす。

(C)2016 Disney. All Rights Reserved.