講談社はこのほど、『ケトジェニックダイエット 糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる! 』(斎藤糧三著 / 1,404円・税込)を発売した。
糖質制限ダイエットへの賛否両論
糖質制限は、近年ブームを巻き起こしたダイエット法の1つ。文字通り、食事から糖質をカットして痩(や)せる方法だ。実際に痩せた人がいる一方で、そのリスクもしばしば議論の的になる。「こんなに体重が落ちて体に害はないのか? 」「完全に糖質を抜いても本当に大丈夫なのか? 」といった声である。
著者のナグモクリニック東京・アンチエイジング外来医長の斎藤糧三医師は、同書で、糖質制限ダイエットに否定的な意見があることを認めながら、間違った糖質制限のリスクを解説。そして、正しい糖質制限として「ケトジェニックダイエット」を提唱している。
やめられない人は「糖質中毒」かも?
まず、斎藤医師は「糖質制限が悪いのではない」という見解を述べている。糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)を摂取すると血糖値が急激に上がり、それを下げるために「インスリン」というホルモンが分泌。このインスリンは"肥満ホルモン"ともいわれ、過剰に分泌されると血中の糖質と結びついて脂肪になる。これが糖質によって「太る」メカニズムだ。なお、食後血糖値の急上昇・急降下は、太るだけでなく、冷えや老化なども引き起こすという。
とはいえ、糖質は大切なエネルギー源。「糖質を抜いたら頭が働かない」「フラフラしてしまう」と心配する人もいるだろう。しかし、それは「糖質中毒」のサインかもしれない。糖質は脳に影響を与えるため、強烈な中毒性と依存性を招くのだという。
同書では、「パン屋さんの脇を通るとき、匂いに誘われて素通りできない人、それはかなりの中毒症状だと自覚しましょう」と警告している。
糖質「だけ」制限するから危険
では、糖質制限はなぜ危険視されることがあるのか。斎藤医師は、その理由を「糖質だけを制限するから」と指摘。
それまで糖質を摂(と)っていた人が糖質を制限すると体重は減る。しかし糖質を摂取しなくなると、「糖新生」といって、体内で筋肉などをもとに糖質をつくるしくみが働くため、筋肉をつくるタンパク質を補わないまま糖質制限を続けると、体がボロボロになってしまう可能性があるというのだ。
そこで斎藤医師は、糖質制限に「肉食」をプラスする「ケトジェニックダイエット」を提案。同ダイエットは、糖質制限をしつつ、タンパク質などの栄養素をしっかり摂る"正しい糖質制限"と明言している。