Syncを使い、シームレスなブラウジングを

Sync機能は、すでに使っている人も多いだろう。Firefoxアカウントでサインインするだけでよい。

図17 Firefoxアカウントでサインイン

Syncは、デスクトップ、タブレットなど複数の端末で、

  • タブ
  • ブックマーク
  • パスワード
  • 履歴
  • アドオン
  • 個人設定

を同期する。パスワードの同期は、文字入力が楽ではないスマートフォンでは便利な機能だ。そして、パスワード管理を行える点もありがたい。図18は、デスクトップのブックマークと同期したものだ。

図18 デスクトップとブックマークを同期

タブの同期も、図19のようになる。

図19 タブの同期

Android版やiPad mini、デベロッパーエディションで開いたタブが表示されている。たとえば、自宅のPCで地図をみていたが、出力するのを忘れて外出してしまった。こんなときもあわてる必要はない。スマートフォンから自宅で表示していた地図のタブを選べば、道に迷う心配もない。

Syncは、たんにデバイス間で情報を共有するに留まらない。履歴やブックマークが同期されることで、スマートスクリーンで検索を行うと別の端末で見た履歴も検索対象となる。つまり、どの端末でそのページを見たかを意識する必要がなくなる。覚えているキーワードで絞り込んでいけば、過去にどこかの端末で見たページを再度、ブラウジングできる。まさにSyncとスマートスクリーンの合わせ技といったところだろうか。

最後に画面だけだが、リーダービューの画面を紹介しよう。

図20 リーダービュー

ブログなどで、本文と関係ないボタン、広告、背景画像などを表示しないようにする。スマートフォンでは、覚えておきたい機能の1つだ。

11月9日は、Firefoxの11周年

11月9日は、11年前にFirefox 1.0がリリースされた日でもある。この日にiOS版を発表したのは無関係ではないと筆者は思っている。発表会では、冒頭、Mozilla Japan代表理事の瀧田佐登子氏より、次のような挨拶があった。

図21 Mozilla Japan代表理事の瀧田佐登子氏

「Firefox 1.0から11年目になりますが、Webがこの11年で大きく変わってきています。ライフスタイルにも、Webやインターネットが当たり前のものになっています。最近では、ブラウザ自体を使っているという感覚ではなく、生活の一部と化しています。そこで、Mozillaは、インターネットのオープン性、そしてこれからの技術の革新、新しい世界を築いていくための1つの節目となるのが、iOS版のリリースと思います。デスクトップだけでなく、Android版、iOS版といろいろなデバイスで、Firefoxでの豊かなインターネット体験を多くのユーザーに楽しんでいただければと思います」

実際に使ってみての印象であるが、Android版よりも使いやすいという感じである。浅井氏によれば、Android版での経験やフィードバックを大いに参考にしたとのことだ。進化が感じられたのは、そのせいだろう。一方、今後に期待したい機能もある(たとえば、Safariから直接ブックマークをインポートするなど)。

いずれにせよ、このFirefoxの登場で、iOS用のブラウザの選択肢は大きく膨らんだといえるだろう。