お酒にはアテがつきものだ。日本酒には酒盗、ビールには枝豆。では赤ワインや白ワイン、スパークリングワインには……生ハムではないだろうか。今回は、ただワインを引き立てるだけじゃなく、生ハムを主役として楽しめる大阪の店を3軒紹介しよう。今回は前回の1軒目、2軒目に続き、最後となる3軒目。
4年熟成の超・濃厚ベジョータ
地下鉄御堂筋線「心斎橋駅」から徒歩5分、東心斎橋にある「イベリコ屋 心斎橋店」はその名の通り、ベジョータ(ドングリのみを食べて育ったイベリコ豚で作られた生ハム)を存分に味わえる店。しかも、提供されるベジョータがすごい。通常のベジョータは、2年程度熟成された上で販売されるのが一般的なのだが、4年以上熟成したものを確保し提供している。
「4年熟成となるとスペインでも非常に希少で、スペイン王室やローマ法王などに献上されるほどなんです。当店は、そんなベジョータを特別に分けてもらい提供しています」と店長。
提供される4年熟成のベジョータはスペインのアンダルシア州において、数百年にわたってイベリコ豚の生ハムを生産し続けてきたハブーコ村産のもの。ハブーコ村は国立公園内にあり、スペイン王室直轄地として飼育環境が守られている。
目の前で美しくスライス
「イベリコ屋」で提供される4年熟成ベジョータ「ハモンイベリコ」(1gあたり65円)は、スタッフが席の目の前までベジョータの塊「ハモン」を運び、客の目の前でナイフを使って華麗な手つきでスライスした上でサーブしてくれる。金額は取り分けられたベジョータの重量での量り売りスタイルだ。
味わいは、豊かな甘みと風味が口いっぱいに広がり、豚独特の臭みなどは一切感じない。見た目よりも柔らかく、特に脂身部分は手で持つと溶け出してしまうほど。しかも、この脂身はオレイン酸でコレステロールとは無縁のヘルシーな脂身。ハモンイベリコの相棒には、ぜひスペインの赤ワインを合わせて楽しんでほしい。
●information
イベリコ屋 心斎橋店
住所: 大阪府大阪市中央区東心斎橋2-8-9 日宝コア笠屋町1F
営業時間: 18:00~翌3:00(日・祝日は~23:00)
※記事中の価格や情報は2015年10月時点のもの。価格は税込
筆者プロフィール: 中 直照(なか なおてる)
大阪出身のコピーライター。出版社や中堅ゼネコンなどを経てフリーライターとして独立。その後、2011年にショートカプチーノ設立。コピーライターとして経営者インタビューや企業広報誌、店舗取材など、幅広く執筆。ほかにもホームページ用コンテンツの企画や制作などにも携わっている。