米Mozillaは、9月22日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなる「Firefox 41」をリリースした。前バージョンの40からは、40.0.2と40.0.3の2つがリリースされている。40.0.2では、1つの新機能と2つの不具合の修正が行われた。

  • Windows 10で設定ダイアログを開くAPIを有効に
  • mozalloc.libがxulrunnerに含まれていなかった不具合の修正
  • ハードウェアとデバイスドライバの組み合わせによっては生じる、起動時にクラッシュする不具合の修正

40.0.3では、以下の変更と修正が行われた。

  • プラグインの非同期初期化を無効に変更
  • GStreamerに関する実装でセグメンテーションフォールトが発生する不具合の修正(この不具合はGNU/Linuxでのみ発生)
  • DisplayLinkを使用している場合、起動時にクラッシュすることがある不具合の修正(この不具合はWindowsでのみ発生)
  • input要素での日本語フォントに関する不具合の修正
  • いくつかのサイトで、マウスによるコンボボックス中の要素選択が動作しない不具合の修正
  • いくつかの検索エンジンからパートナーコードが削除されていた不具合の修正

また、セキュリティアップデートとして、以下が行われた。

  • data URLを通じたアドオン通知の回避[高]
  • Canvas要素スタイル再適用中のリサイズによる解放後使用[最高]

したがって、Firefox 41へのバージョンアップは、40.0.3からとなる。本稿では、インストール手順や新機能などを紹介する。また、新規にタブを開く際に、自分好みのサイトを設定することができるCustom New Tabアドオンを紹介しよう。

Firefox 41のインストール

自動的にアップデートが行われるが、ここでは手動でアップデートを行う。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動して更新を完了]をクリックする(図1)。

図1 Firefox 41へのアップデート

新規に、Firefox 41をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラーをダウンロードする(図2)。

図2 Firefoxのダウンロードページ

[Firefox無料ダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、 インストールを開始する(図3)。

図3 Firefox 41のインストール

画面の指示通りにインストール作業を進めてほしい。以降で、Firefox 41の新機能や変更点を見ていこう。

Firefox 41の新機能

Firefox 41の新機能であるが、以下の通りである。

  • TSF(Text Services Framework)の利用により、Windows Vista以降でのIMEサポートが向上
  • Firefoxアカウントのプロフィールに写真を設定可能に
  • Firefox Helloにインスタントメッセージ機能が追加
  • SVG画像がfaviconとして利用可能に
  • box-shadowの描画がより高速に

プロフィールへの写真追加であるが、[オプション]からSyncにサインインし、アカウント管理を表示する(図4)。

図4 アカウント管理

あとは[追加]を選べばよい。また、変更点は以下の通りである。

  • WebRTCの利用には、PFS(Perfect Forward Security)が必須に
  • Windows 7において、WARPが無効に
  • 画像のデコードがより高速に
  • 'transform'や'opacity'を利用するアニメーションの、コンポジッタースレッドでの実行が有効に

HTML5関連、開発者向けの新機能は、以下の通りである。

  • MessageChannelとMessagePort APIが標準で利用可能に
  • SVG要素のtransform-origin属性が実装
  • CSS Font Loading APIが標準で利用可能に
  • Navigator.onLineで、実際の接続状況を取得可能に(WindowsとMac OS Xでのみ利用可能)
  • document.execCommand("cut")/document.execCommand("copy")を利用して、Webコンテンツのコピーとカットが可能に
  • Cache APIが実装され、window/Worker/ServiceWorkerから名前付きキャッシュに対する問い合わせが可能に
  • 縦書き文章のレイアウト機能が、デフォルトで有効に
  • バイナリXPCOMコンポーネントを非サポートに。ネイティブバイナリを利用するためには、アドオンSDKにあるsystem/child_processのパイプ機構を利用
  • ネットワークリクエストをHAR形式でエキスポート可能に
  • インスペクタにCSSルールを追加するボタンが追加
  • マークアップビューで選択した要素のスクリーンショットを撮ることが可能に。スクリーンショットの撮影は、コンテキストメニューから行う
  • インスペクタで、CSSのルール宣言をコピー可能に。コピーはコンテキストメニューから行う
  • インスペクタに擬似要素パネルが追加

さらに、修正として、以下が行われた。

  • リサイズやビューポートの変更時にpicture要素が追随しない不具合を修正

今回もめだった変更はない。しかし、次のセキュリティアップデートなどが多くなっている。すみやかにアップデートすべきである。