説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneをルータ代わりに使える?」という質問に答えます。

***

結論からいうと、あるときはイエス、あるときはノーとなります。その理由は、iPhoneにおいてテザリングが機能するしくみにあります。

いわゆる「テザリング」は、スマートフォンを介して携帯電話会社の回線網を利用するしくみのことで、スマートフォンのOSが機能をサポートし、この使い方を携帯電話会社が許可している(携帯電話会社がサービスとして提供している)ことが利用の前提となります。ここ日本では、iPhone 5以降どの携帯電話会社でも利用できるようになりました。

ところで、テザリングはiPhoneが「ルーティング」を行うことで成り立ちます。パソコンやタブレットなどテザリングを利用する機器(テザリング子機)からアクセスを受けたiPhoneは、携帯電話会社の3G/4G回線をWi-Fi/USB/Bluetoothに中継ぎすることにより、インターネット回線の共有を実現します。たとえていうと、iPhoneが「モバイルルーター」としての機能を果たしているわけです。

だから、携帯電話回線が利用できない「圏外」の状態では、インターネット回線に接続できない以上、テザリングは機能しません。SIMカードを挿していない場合も同様で、「設定」から「インターネット共有」の項目そのものが消えてしまいます。

モバイルルーターとしての機能も、携帯電話回線の共有とセットとして扱われるため、機内モード時は動作しなくなります。機内モードにしている間は、「設定」の「インターネット共有」スイッチは強制的にオフとなり、以降機内モードを解除するまでオンにできなくなります。

機内モード時は「インターネット共有」スイッチは強制的にオフとなり、ルーティング機能も動作しなくなります