COMPUTEX TAIPEI 2015のIGGABYTEブースで見つけたグラフィックスカードおよび、ゲーミングブランド「AORUS」新製品をレポートしよう。

6月1日に発表されたNVIDIAの新GPU、GeForce GTX 980 Tiについては、すでにリファレンスデザインに準拠した製品GIGABYTE「GV-N98TD5-6GD-B」が販売を開始しており、こちらが展示されていたが、これに続く製品として、オリジナルクーラーを搭載する「GV-N98TG1 GAMING-6GD」が展示、そして同日発表された。

映像出力端子はリファレンスデザインに対しDVIを1基増やしたレイアウト

銅色のかなり太めのヒートパイプが確認できる。補助電源は8+8ピン

GV-N98TG1 GAMING-6GDは、GIGABYTEお馴染みの「WINDFORCE 3X」クーラーを搭載するモデルだ。今回のWINDFORCE 3Xは、カバーの一部がシルバーとなり、見た目も新鮮な印象を受ける。冷却性能については、TDP 600W対応をうたう「WINDFORCE 600W」とされる。補助電源コネクタは8+8ピンに強化されている。

販売開始となったリファレンスデザイン版「GV-N98TD5-6GD-B」は早速3-way SLIでデモされていた

水冷版3-wayカードの最新版はGTX 980を採用

また、もうひとつの目玉が2014年に引き続き展示されていた、3-wayの水冷グラフィックスカード「WATER FORCE」だ。PCケースのトップにラジエータユニットを引き回すデザインなどは従来と変わらない。

WATER FORCEは今年も健在

ただし、GPUはGeForce GTX 980へと進化していた。グラフィックスカードの製品名としては「GV-N980X3WA-4GD」。定格クロックが1228MHz、ブーストクロックが1329MHzだが、OCモードではこれが1253MHz/1354MHzとされている。

GPUがGeForce GTX 980に更新され、やはり3-wayで攻めてきた

機能面では、ラジエータユニット用ボックスの前面に搭載されたディスプレイとコントローラから、現在のファン回転数やポンプ回転数などを監視、ターゲットとなるGPU温度を設定することができ、優れた冷却性能を発揮しつつも空冷のリファレンスクーラーよりも13.1dB静かな動作音を実現するいう。

従来モデル同様、ラジエータ収納部のパネルに各種の情報表示機能と制御機能を備える

ウォーターブロック部は、GPUに単に水冷ヘッドを付けただけの簡易な設計ではなく、MOSFETやグラフィックスメモリの熱をヒートパイプやヒートシンクで水冷ヘットに引き込み、グラフィックスカード上の全ての熱源を冷却することをアピールしている。

内部の分解モデル

一般的な水冷換装キットの場合、GPUのみを水冷ヘッドで冷却、ほかは空冷というものもあるが、WATER FORCEの場合は、MOSFETやメモリの熱をヒートパイプで回収したうえで、GPU直上の水冷ヘッドで冷やすメカニズムを採用している

実際にカードに装着した状態で外装を外したモデル

「AORUS」ブランドのゲーミングノートPCが日本にも登場?

ゲーミングブランドのAORUSからは、新型ノートPCおよび、キーボード「THUNDER K3」をレポートしよう。

AORUSのノートPCは、17型のX7、15.6型のX5、13.3型のX3がラインナップされている。

17型の新製品「X7 PRO-SYNC」は、最新スペックへと引き上げたモデルとなる。目玉となるのはNVIDIA G-SYNCへの対応と、GPUがGeForce GTX 970MのSLIへと変わった点だ。モバイル向けの高性能GPUを2基搭載することで3Dパフォーマンスを高め、かつG-SYNCによってテアリングのない快適な表示が楽しめる。

17型でGeForce GTX 970M SLI仕様の「X7 PRO-SYNC」。日本でも登場する予定ありとのことなので期待したい

X7シリーズの特徴として、17型の大画面でありながら、0.9インチ(およそ2.29mm)とスリムで、スタイリッシュ。ハイエンドスペックだけに重さは3kgあるが、持ち運びに苦労しない。

17型のゲーミングノートとしてはかなりスリム。パームレストの段差が気にならない点は、ハイエンドで分厚くなりがちなゲーミングノートと異なる。そのほかの外観は、リアの排気口付近にゲーミングのイメージがあるものの、一般的なイメージのゲーミングノートよりもシンプル

ストレージもmSATA SSDを3基、2.5インチHDDを1基搭載できるなど豊富(RAIDにも対応する)。キーボードも、ゲーミング向けの仕様としてマクロ機能をサポートしている。このX7については、現地担当によると日本市場での販売も検討されているとのこと。そして日本市場向けモデルでは第5世代Core iプロセッサを搭載したモデルになるだろうとのことだ。

15.6型モデル「X5」は、COMPUTEX合わせでアナウンスがあった。こちらはX7の下位モデルとなる、GPUにGeForce GTX 965MをSLI構成で搭載し、シングルのGeForce GTX 980Mを超える3Dパフォーマンスが可能とうたう。参考として示された3DMark 11のスコアはP12000だった。

15.6型でGeForce GTX 965M SLI仕様の「X5」。G-SYNCにも対応する

また、フレームレートが60fpsにわずかに足らない場合でも、G-SYNC対応パネルによってスムーズな描画が得られることをアピールしている。パネルのスペックは、IPS方式、解像度が2880×1620ドット。また、メモリが4スロットで最大32GB、DDR3-1866モードが利用可能、X7同様にストレージはRAID対応とされる。CPUには第5世代Core iプロセッサ(Broadwell)を採用する。厚みはX7と同様2.29mm、一方で重量は2.5kgとなる。

13.3型モデルでシングルGPU(GeForce GTX 970M)の「X3 PLUS V3」(G-SYNCではない)もある

ゲーミングキーボードのTHUNDER K3は、テンキーレスのコンパクトサイズ。キーはCherry MXの赤軸メカニカルキースイッチを採用している。ゲーミング向け機能として、とくにラフに扱った際でもケーブルの断線が起きないよう、頑丈な接続部、スリーブ付きの太めのケーブルを採用しているのがユニークだ。

ゲーミングキーボード「THUNDER K3」

LANパーティ参加用など、抜き差しの激しい用途を想定しているが、キーボードの断線は普段でも聞く話(テーブルから落とした際など)なので、意外と普段用として堅牢さを求めるニーズにマッチするかもしれない。そのほか、アンチゴースト機能、ボリュームやバックライトを調節するスクロールホイール、ノンスリップ仕様のキーキャップなどを備えている。

ゲーミングキーボード「THUNDER K3」