HJホールディングスは30日、同社が運営する動画配信サービス「Hulu」の日本市場向け施策を発表した。まず、Huluがこの2015年3月でユーザー数100万人を達成したことが明かされたほか、4月1日から、新たな視聴デバイスとしてPlayStaition 4が加えられる。また、100万人達成記念の施策として、2015年を通じて「フールー、オン」キャンペーンを展開。オリジナルコンテンツの提供も予定する。

Huluのユーザー数が100万人を突破

4月1日から、Huluを視聴できるゲーム機として、従来のニンテンドー3DS LL/3DSやXboxなどに加え、新たにPlayStation 4(PS4)が加わった

「フールー、オン」の詳細は未定。一過性のキャンペーンでなく、2015年を通じて展開していく施策となり、まずは4月中に最初の発表が行われる

同社は2011年9月に国内サービスを開始。約3年半での100万人突破となった。日本テレビグループ傘下となった2014年4月時点でのユーザー数は約61万人。ここから日本のドラマやアニメなど、国内コンテンツが強化され、ユーザー数が約1年で40万人ほど増加した。

登壇したHuluヴァイス・チェアマンの船越雅史氏は、「(日本テレビグループとなる以前と比べると)伸びとしては上がった印象。ただし、ユーザー数はずっと右肩上がりでじわじわ伸びてきており、ラインナップの強化や海外ドラマ最速配信など、1つ1つの施策で地道にユーザーを獲得していった」とこれまでを振り返った。ユーザー数の内訳は非公開だが、氏の感覚では「20代、30代、40代がメイン。幼児向けコンテンツもランキング上位に入っているので、実際の視聴は未就学児のユーザーもいるのでは」という。

Huluヴァイス・チェアマンの船越雅史氏。100万ユーザー突破にあたり、「Huluのユーザーやコンテンツパートナーに感謝し、2011年9月にサービス開始した当初メンバーにも敬意を表する」と感謝を述べた

コンテンツ強化とマルチデバイス対応を推進

国内のVODサービスについては、民放キー局5社が、2015年10月にも番組の見逃し配信を開始すると表明したり、米大手の動画配信サービス「Netflix」が2015年秋に日本でサービスを開始するなど、新たな波が到来しつつある。この中で、Huluは、(各サービス会社が)現状のサービスとした場合には基本的に「棲み分け」られると自社のサービスを位置づけた。

「Netflix」については、「まだ日本のVODサービス市場は小さく、発展途中。(Netflixの参入により)現状のVODサービスのマーケットを大きくしていければと思っている」とコメント。自社の強みをコンテンツとマルチデバイス対応とし、「マルチデバイス対応やシームレスな再生環境、海外のドラマや映画のラインナップといった強みをさらに強化し、素晴らしいコンテンツを預かれるよう努力する。ユーザーに愛されるサービスにしていく」と語った。

コンテンツの強化については、フジテレビの深夜アニメ放送枠「ノイタミナ」のアニメを4月に配信予定。テレビ朝日とも交渉を進めているという。同社はオリジナルコンテンツの制作も進めており、2014年11月には自社内にコンテンツ制作部を設置。日本で受け入れられるコンテンツの作成を進めており、「第1作はしかるべきタイミングで発表する」とした。

また、民放キー局で10月に開始が予定される1週間見逃し配信サービスに対しては、自社の特徴を「コンテンツを一気に見られること」とし、競合サービスが1週間程度の無料配信とした場合、「例えば第4話が無料の時に、1話、2話、3話をHuluなら見られる。サービスの色が違うので、棲み分けができる」とした。

2015年を通じて展開する100万人達成記念キャンペーン「フールー、オン」は特設サイトも展開。30日時点では、Huluのユーザーが100万人を突破したことが「EPISODE O」のタイトルで紹介されている