暖かな陽射しを感じるようになれば、あの嫌なシーズンがやってくる。まさに花粉の到来だ。一説には日本国民の約10~20%が罹患しているといわれる“花粉症”。

しかし、皆さんが受けている花粉症の治療には、思わぬ落とし穴がある。

講演会など、多忙な中でも丁寧に対応してくれた竹井院長

今では、耳鼻科や内科などでも「くしゃみ」や「鼻水」だけでなく「眼のかゆみ」や「充血」などに点眼薬や内服薬を処方してもらえるが、病院やクリニックによってはドクターが医薬品の効能や用量・用法を正確に理解しておらず、症状がなかなか治らないということが起こっている。

コンタクトレンズ使用者においては、レンズによって点眼薬が異なるため、誤った処方をして、眼に傷を負わせるなどのトラブルも発生しているらしい。

やはり、それぞれの専門医に診てもらうこと。そして、早期予防が一番効果的なため、症状が出る前に最寄りのクリニックへ行くことがオススメである。

そこで今回、眼科による花粉症の治療に詳しい、JR東浦和駅近くにある「柳崎眼科クリニック」の竹井浩明院長にお話を伺った。

ベストメガネコンタクト東浦和店と併設している同院は、今年1月30日にリニューアルオープンしたばかりで、飛散量がピークの時期には1日で最大100名前後の患者さんを治療するという地域に根差したクリニックだ。

スギ・ヒノキの飛散量は例年並みの多さ。

まずは、2015年の花粉の飛散量はどの程度なのか。その傾向についてうかがった。

竹井院長: 「今年の関東地方でのスギ及びヒノキ花粉の総飛散量は、例年並みというものの花粉飛散量が少なかった前年よりは多いという予測です。特にスギが多い傾向です」

花粉症の中でも患者数が最も多いとされるスギが昨年と比べて、花粉の飛散量が多いということなら油断は禁物だ。

スギ花粉の飛散が始まるのは、通常は2月の2週目2月9日~10日あたり。ピークの時期が2~5月なので、これからが特に要注意だ。

薬を飲んでも、眼のかゆみが治まらないケースもある。

花粉症にかかると、ほとんどの人が耳鼻科や内科に通院している。

その理由のひとつが、「眼のかゆみ」「充血」「涙がでる」などの『季節性アレルギー性結膜炎』に罹っても耳鼻科などで点眼薬や内服薬を処方してくれるからだ。

竹井院長: 「『眼のかゆみ』だけでなく『鼻水』『くしゃみ』など、その症状に合わせて効き目のある薬を選ぶので、耳鼻科や眼科でも処方する薬は変わりません」

患者さんもいくつもの病院を周るよりは、一つの病院でまとめて処方箋を出してもらえたほうが楽なので、そういう選択をするのは無理もない。

しかし、それが必ずしも花粉症の治療に最適だと限らないと竹井院長は危惧している。

竹井院長: 「薬の用量・用法をきちんと理解しないまま、処方している病院・クリニックなども少なくありません。例えば、薬の種類によりますが『眼のかゆみ』があるにも関わらず、抗アレルギー薬だけを処方していては、いつまで経ってもかゆみが軽減されないということがよくあります。いつ始めるかという治療の時期などによっても、使う薬は異なってきますから、患部の症状や薬の効用など、あらゆる状況を把握して適切な治療ができる専門医に診てもらうのが大切です」

コンタクトレンズ使用者は、要注意!

最近特にトラブルとして多いのが、コンタクトレンズをしている患者さんへの花粉症の治療である。

竹井院長 「コンタクトレンズのハードとソフトで違うのはもちろん、ワンデー、マンスリーなど、ソフトタイプの中でも種類によって、使う点眼薬は変わってきます。懸濁液(液体の中に粒子が分散して、濁っている状態)などのように振って使う点眼液は、溶け残ったものがコンタクトに付着して目を傷つけてしまう可能性があるので、コンタクトレンズでは一切使えません。こうしたことを理解しておかないと、思わぬトラブルになりかねません」

眼科以外ではコンタクト装用者の治療までは、理解していないケースが多いという。

花粉症の患者さんにとっては、これからの季節を快適に過ごせるかどうかは、適切な治療にかかっているといっても過言ではない。

「各専門領域のドクターに診断してもらうことも大切ですが、一番は初期療法です。花粉症の症状がでる前に治療を始めたほうが効果的」と竹井院長は言う。 気になる人は、いますぐ身近なクリニックへ。

今回お話を聞いた柳崎眼科クリニックとは?

柳崎眼科クリニックはJR武蔵野線東浦和駅から徒歩7分にある眼科医院で、土・日・祝日の診療も行っています。
個人眼科では数少ない検査機器も導入しており、健康診断や人間ドックで、眼科を受診するように指示された方も、精密検査を行うことができます。