2014年は最高のソリューションを提供することで10%成長を達成
マカフィーは2月6日、都内で2015年事業戦略説明会を開催。冒頭でジャン クロード・ブロイド社長は、「新聞を見たところ一面で取り上げられていた」と、セキュリティが世間のホットトピックになっていると切り出した。
インテルがマカフィーを買収して3年が経過したことにも触れつつ、インテルの決算と、その中でマカフィーが担当するIntel Securityグループの事業総括を述べた。
2014年は、Intel Securityグループとして年間売り上げが23億ドルと、二桁成長を遂げたいう。その背景として、業界で最高クラスのセキュリティソリューションを提供するだけでなく、複数の領域で製品が連携して対応する「Security Connected」戦略が浸透し、競合他社との差別化要因になったと分析した。
日本市場では、コーポレート事業向けとして主要企業に対するSOC(Security Operations Centers)構築支援や、公共事業と大企業に対するコンサルティング案件が増大したという。また、マカフィーのビジネスエコシステムにとっては、パートナーとなるシステムインテグレーターが重要な役割を担っているが、マカフィーソリューションに対する専門知識を高めたことで実績を上げた。
コンシューマー事業も堅調に推移している。その根拠として、数多くのISPパートナーやプリインストールPCにおける高いインストール率、三大キャリア(NTTドコモ・KDDI・SoftBank)すべてとパートナーシップを結んでいる実績を挙げた。マカフィー製品そのものも、高い評価を得ているという。
セキュリティのトレンドはリスク管理へと変化
続いて、業界のトレンドについて解説があった。ITセキュリティは、リスクからの保護から、リスク管理を重視するように変化。そのためにはリスクの分析と事前対策が欠かせない。また、ユーザーが安全にモバイル、クラウド、SNSを利用できるセキュリティソリューションの需要が高まっている。これは個人向けだけでなく、企業向けにも求められるため、市場をけん引していくと予測した。
調査会社の資料によると、2013年から2018年のセキュリティ業界は4%程度の成長が見込まれているが、ブロイド社長は私見として「もう少し大きな成長(5%程度)が期待できる」とした。これには別の調査会社による数字があり、日本の大企業の3割が従来比で15%以上、セキュリティに対する投資を増やすという(率としても金額としても、かなり大きなものになる)。
標的型攻撃によるデータ漏えいは、サービス停止に加えて企業ブランドも失墜し、膨大な損失を生む |
McAfee Labsは、400人以上の研究者と、世界で数百万というセンサーデバイスによって最新の脅威をリアルタイム収集。自動化された分析で膨大な情報に対処しているという |
一方、現在のセキュリティの課題として、次の3点を挙げた。(1)複数ベンダーでサイロ化されたポイントプロダクトを利用しているため連携が取れていないこと、(2)同様にプロダクトから上がった膨大なデータを活用していないために、可視性が悪く脅威の特定が迅速に行えていないこと、(3)巧妙な標的型攻撃などセキュリティプロセスを突破される状況があることだ。
これらの対策には、プロダクト間で連携を取る「Security Connected」が重要だとする。マカフィーのSIEM(Security Information and Event Management)はどのようなセキュリティソリューションとも統合可能であり、情報を入れることによって、分析比較とそれに対応するアクションがリアルタイムに行えることをアピールした。
Security Connectedのコンポーネントに対しても業界のリーダー格であると強調 |
ここ数年の業界をリードする取り組みは、Security Connectedを実現するコンポーネントであるSIEMだという |
最後に未来へ向けて、マカフィーが掲げる2017年の目標を紹介。シンプルで効率的なセキュリティプラットフォームを提供することによって、Forbes Global 2000(*)の上位2,000社のうち80%の企業を保護し、さらに世界中で多くのデバイスを保護したいと締めくくった。
(*)フォーブス誌による世界の公開会社(public company)の上位2,000社