既読スルー……、スマホのインスタントメッセージアプリである「LINE」などで、相手がメッセージを読んだにもかかわらず、返信が来ない状態のことをそう呼びますよね。

男性はシングルタスク、女性はマルチタスク

彼氏や意中の人と会話をしていて、既読スルーになると不安ですよね。それが例えば、深夜だったりすると寝落ちしたのかなと納得できるわけですが、日中に何度もメッセージを送っていて、彼は読んでいるにもかかわらず返信してくれない。女性からすれば、なんで返信してくれないのよと思うでしょう。なぜ、男性は既読スルーになりがちなのか、どうして女性は既読スルーに不安を覚えやすいのでしょうか。

以前に「なぜ男性はシングルタスクなのか」という記事のなかで、男性と女性の違いについて紹介しました。簡単にまとめると、脳科学の分野などでは、男性脳は一つのことしか集中できないシングルタスクだといわれています。よくいえば、1つのことにこだわり、追求していくには向いています。ですが、その一方で同時にいろいろなことができないといわれています。

それに対して女性脳は、同時にいろいろできるマルチタスクだとされています。これが、男性が既読スルーになりがちになり、女性は既読スルーに不安を覚えやすいことにつながるのです。というのも、男性脳はシングルタスクです。つまり、男性は仕事中や他の作業をしながら、メッセージを送りあうというのが苦手なんです。

既読スルーしていなくても男性は上の空かも

こんな経験ありませんか。やたら、スタンプばかりが送られてきたり、「うん」とか「OK」とかばかりだったり。そんなとき男性は、いわゆる上の空でメッセージをしているのかもしれません。既読スルーではないけれども、あまりちゃんと内容は読んでいないかもしれませんよ。

それに対して、女性脳はマルチタスク。テレビを見ながらは当然のこと、だれかと電話で話しながらでも、メッセージを送れたりしますよね。女性自身は、なにかしながらでも普通にメッセージできるため、なにかしながらメッセージできない男性を理解できず、不安になるんだと思います。

まずは男性と女性で違うんだと理解を

もちろん、相手に興味がないために意図的に既読スルーをしているという可能性も、否定はできません。好きな相手だからこそ、「どうしてメッセージを送ってくれないの」「私のこと、好きじゃないの」と、不安になる気持ちは理解できます。

ですが、まずは男性と女性で違うんだということを理解することが重要です。そうすると、余計な心配や不安をしなくてすみます。恋愛は人間関係です。人を、相手を理解すること。なにが同じで、なにが違うのかが理解できれば、きっとうまくいくと思いますよ。既読スルーだからと、不安になる必要はないんです。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。