"Windowsのソフト資産がそのまま利用できる"、という大きなメリットを備えたWindowsタブレットが、今にわかに盛り上がりを見せている。その理由は、メーカーにWindows 8.1 with Bingが低価格で提供されることにより、タブレット本体の価格が大きく下落したことにある。マウスコンピューターは、このWindowsタブレットを積極的に発売しているメーカーの一つだ。前編ではWindowsタブレットの特徴と、マウスコンピューターの主力3機種の違いを紹介した。今回の後編では、そんな3機種の中でもコストパフォーマンスに優れた「WN801V2-BK」について詳しく検証しよう。

マウスコンピューターの8型Windowsタブレット「WN801V2-BK」

23,800円で購入できる8型Windowsタブレット

マウスコンピューターから発売された「WN801V2-BK」は、OSにWindows 8.1 with Bingを搭載したWindowsタブレットだ。「V2」という名称の通り、2014年9月に発売された「WN801-BK」のバージョンアップモデルとなる。本機の最大の魅力は、その価格にある。わずか23,800円(税別)で購入することができるため、ちょっとWindowsタブレットを試してみたい人や、Windows用ファイルをそのまま読み込めるビューワーが欲しい人にピッタリの製品。しかも、「Office Home and Business 2013」までもが同梱されるのだから驚きだ。MicrosoftのWebサイトからオンライン購入すると37,584円(税込)なので、ある意味これだけで元が取れてしまう。

「WN801V2-BK」の外箱。インテルのロゴが入ったカラフルなケースに収められている

「Office Home and Business 2013」が同梱されるため、すぐにOfficeファイルの閲覧・編集が可能だ

ディスプレイのサイズは2014年に採用例の多かった8型となり、光沢液晶が採用されている。本体サイズはW207×D126.7×H10.1mm。iOSのタブレット「iPad mini 3」や、Andoridタブレットの「Xperia Z3 Tablet Compact」などと同じくらいのサイズを想像すればOKだ。この大きさなら、片手でもしっかりとホールドできるだろう。解像度はHD(1280×800)と若干見劣るものの、Windows動作という点を踏まえれば十分実用に耐えうる。もちろんマルチタッチにも対応。本体質量は約370gとなり、片手で持っても苦にならない重さだ。本体背面および液晶ディスプレイの左上にはWebカメラが搭載されており、アウト/インともに192万画素。そのほか、加速度センサーも内蔵している。

8型の光沢液晶を採用しており、ディスプレイの解像度は1280×800となる。前面にはボタンなどは配置されていない

光沢のある黒い背面は樹脂製となっており、本体重量の軽減に貢献している。指紋は少々目立ちやすいため、こまめに拭いてあげよう

前面左上および背面に設置されているWebカメラは192万画素。スマートフォンなどと比べると控えめだが、メモ用途やビデオチャットには十分だ

大きさを比較するため「iPad mini 2」を並べてみた。縦幅が若干長く、横幅が多少狭いが、ほぼ同サイズだ

6型の「Nexus 6」を並べたところ。この大きさの差をどう感じるかはユーザーごとに変わるだろう

厚みは10.1mmと「iPad mini 2」よりあるが、普段使用している分にはそれほど意識することはないだろう

4コアCPUを搭載することでパワフルな処理能力を実現

CPUは、タブレット向けの"BayTrail-T"ことインテルAtom Z3735F。モバイル用途を主眼としたSDP2.2WのCPUながらも4コアを内蔵しており、1.33GHz(ターボ・ブースト機能利用時最大1.83GHz)で動作する。メモリはDDR3L-1333となり、旧モデル「WN801-BK」の1GBから価格は据え置きで増量され、標準で2GBとなった。V2での変更箇所はこの点のみだ。ネットワーク機能としては、IEEE 802.11b/g/nに対応した無線LANと、Bluetooth 4.0+LEを内蔵している。もちろんWindowsに対応した機器を利用できるので、所有しているハードウェアデバイスをそのまま活用することが可能だ。

CPUはAtom Z3735F。ターボ・ブースト機能により、最大1.8GHz付近まで動作クロックが上昇する

メモリは旧モデルの1GBから価格は据え置きで倍増され、2GBとなった

本体のインタフェースは上部と左側面に集約されており、右側面と下部には何も設置されていない。上部はWindowsキーとボリューム調節キーという2つの操作キーを搭載。左側面には左から順にDC 5Vの電源コネクタ、内蔵マイク、microSDカードリーダー、mini HDMI端子、micro USB 2.0端子、ヘッドフォン端子、電源ボタンを備えている。タブレット端末はUSB端子から充電を行う製品が多いが、本機では専用のコネクタが用意されている。汎用のUSBケーブルで電力を供給できない点は残念だが、充電しつつUSB端子も利用できると考えれば、これはこれでアリな仕様かもしれない。

本体上部、左端にはWindowsキーとボリューム調節キーが用意されている。タッチ操作の補助として活用できる

コネクタ類は右側面にまとめられている。電源はUSB端子からではなく専用端子から給電する方式。mini HDMI端子により外部に映像を出力することも可能だ

またmicro USB 2.0端子に通常のフルサイズUSB端子を備えた機器を接続できるよう、変換ケーブルも同梱されている。ストレージは32GBのeMMC。Windowsアプリならばインストールしても容量に困ることはないが、デスクトップPCやノートPCで利用していたWindows用ファイルをそのまま保存しようとすると厳しくなる可能性もある。そんなときは本体に備えられたmicroSDカードリーダーを活用し、データ保存領域としたい。

出力5Vの給電用ACアダプターが付属。またフルサイズのUSB端子を備えた機器をmicroUSB端子に接続できる変換ケーブルも同梱している

内蔵ストレージの容量は32GB。データファイル用の保存領域が足りないときはmicroSDカードを利用しよう