"ファンと共に走るレーシングチーム"をコンセプトに、初音ミクGTプロジェクトを展開するグッドスマイルレーシングは23日、東京国際フォーラムにて、2015年度の「SUPER GT 参戦発表会」を開催した。
左より、コミュニケーションディレクターの大橋逸夫氏、メンテナンスのRSファイン代表・河野高男氏、ドライバーの片岡龍也氏、谷口信輝氏、片山右京監督、エントランス代表の安藝貴範氏、アートディレクターのコヤマシゲト氏、マシンデザインの草野剛氏 |
"7年目の正直"をスローガンに挑んだ2014年、片山右京監督をはじめとした「GOODSMILE RACING & TeamUKYO」は、日本最高峰の自動車レース「SUPER GT」にレーシングミクをデザインした「BMW Z4 GT3」で参戦。11月15日~16日に開催された最終戦の「ツインリンクもてぎ」で3位でゴールし、「SUPER GT 2014」シリーズ2度目のドライバーズチャンピオンを獲得、悲願の王座奪還を果たした。
2015年の参戦体制は、エントランス代表にグッドスマイルカンパニーの代表取締役社長・安藝貴範氏、片山右京監督、ドライバーに谷口信輝氏、片岡龍也氏、メンテナンスにRSファイン、コミュニケーションディレクターに大橋逸夫氏、チームマネージャーに竹沢友美氏と、昨年を同様のスタッフが名を連ねている。発表会では2015年の体制に加え、2015年の車両を長年慣れ親しんできたBMWから一転、メルセデス・ベンツ「SLS AMG GT3」へと車両を変更した「初音ミク グッドスマイル SLS」のデザイン、そして「レーシングミク2015」もお披露目されている。
会見の冒頭で安藝氏は「右京監督のもとに、谷口、片岡の両ドライバーを揃えて、連覇を目指していこうと考えております。ダブルタイトルを昨年、逃してしまいましたので、来年は徹底的に勝利にこだわって戦っていく体制で望みます」と、2014年以上に意識を高め、チームタイトルを目指していくことを誓った。
安藝氏のあいさつに続き、片山監督は「冗談抜きで、レギュレーションも厳しいなかで2連覇というのは難しいと思いますが、史上最強の寄せ集めチームで歴史に残るような挑戦をしていこうと思います」とあいさつすると、安藝氏をはじめとしたスタッフから総ツッコミが入る一幕も。続くドライバーの谷口氏は「このチームに入って4年。2回のチャンピオンが取れました。2015年もチャンピオンを取って、2連覇をしたいと思います」と意気込み、片岡氏は「チャンピオンを目指して戦う上で、最善な選択肢だと思ったので、悩むことなくこの体制で来年を迎える事ができます。右京監督が、このチームに入ってから右京さんのキャラクターが崩壊しつつあるので、監督のトラクションコントロールをしっかり効かせてもらって、滑らないようにしようと思います」とウィットに富んだあいさつで報道陣を沸かせた。
メンテナンスを担当するRSファインの代表・河野高男氏は「来季、2015年は連覇を目指して、取りこぼしなく、チャンピオンを取りに行こう思っております」と語り、やはり目指すは連覇。2014年はゼネラルマネジャー、来季はコミュニケーションディレクターを務める大橋氏は「コミュニケーションディレクターは、このチームのみならず、SUPER GTを広く知ってもらうための活動をするポジションです」とSUPER GTの普及に尽力していくという。
そして来季の参戦マシンも発表。2015年は、長年慣れ親しんできたBMWから一転、メルセデス・ベンツ「SLS AMG GT3」へと車両を変更し、「初音ミク グッドスマイル SLS」でレースに挑む。新車両メルセデス・ベンツ「SLS AMG GT3」の選択について安藝氏は「去年はZ4でがんばらせていただきましたが、今年はドライバーズチャンピオンを取ったものの、チームチャンピオンは逃しているという状態です。これが何に影響するかというと賞金が違うんです。来年はこの車でダブルタイトルを獲得し、潤沢な予算で再来年に向かっていきたいと思っています」と、貪欲に勝利を目指す闘志をのぞかせた。
新車両について、ドライバーの谷口氏は「期待はしています。以前、スーパー耐久で、この車は使っていたのでポテンシャルや特性はよく知っているつもりです。いまのBOPを考えると、この選択は悪くないと思っています。また、ライバルのGAINERと真っ向勝負をしてやろうというのも、このマシンを選んだ理由でもあります」と説明。また片岡氏は「ここ数年を見ていてもBOP的にも、このマシンが有利とは言いませんが、パフォーマンスが高いと思います。来年、2連覇、そしてチームタイトルをとる上で、より優位にするために、この選択になったと思っています。来年は性能をフルに発揮してSLS AMG GT3でダブルタイトルを獲得したいと思います」と大きな期待を寄せていた。
なお、ゼッケンは昨年同様「0」でタイヤはヨコハマタイヤ。車両について、2015年のレーシングミクのイラストも発表されたている。イラストを担当したのは、セガやスクウェア・エニックスなどでゲームキャラクターデザインなどを務めるイラストレーターのタイキ。マシンデザインは、『交響詩篇エウレカセブン』グラフィックデザインを務め、現在は武蔵野美術大学で非常勤講師としても教鞭を振るう草野剛、アートディレクターには、『ガンダムGのレコンギスタ』のデザインワーク、『キルラキル』アートディレクター、『ベイマックス』コンセプトデザインなどを手がけるコヤマシゲトが担当する。
草野氏は「初音ミク グッドスマイル SLS」のデザインについて「ボディーのカラーを変え、デザインのトーンも一新したシンプルなものにしようと思っています。白を基調に赤を差し色として使い、幾何学模様を配したデザインにしていこうと思います」とこれまでとは一味違ったデザインになることを説明。コヤマ氏は「レーシングミクだけではなく、レース場に来てくださるファンの方が楽しめるよう、ビジュアル面以外でも楽しんでいただきたいです。今年の『レーシングミク 2015 Ver.』のコンセプトは、オタク的ではありますが、一部のコアジャンルである"姫騎士"です。守りも攻めもいけるという来年のグッドスマイルレーシングを象徴する感じになっています」とコンセプトを明かしている。
最後に安藝氏から「去年までは守る、取りこぼしのないようにレースをしてきましたが、今年は車も替り、攻撃的なレースができるのではないかと考えております。攻めも守りも万全となっております」と話した。2015年、新たなマシン「初音ミク グッドスマイル SLS」の活躍に大きな期待が寄せられている。
(C)タイキ / Crypton Future Media, INC. www.piapro.net costume designed by コヤマシゲト