既報の通り、リンクスインターナショナルは21日に台湾Elitegroup Computer Systems(ECS)製の小型デスクトップPC「LIVA」の新モデルとして、Windows 8.1 with Bing搭載モデルを発表し、予約の受付を開始した。これに合わせて記者説明会を開催し、製品の概要を紹介した。

「LIVA」は、もともとCPUに「Bay Trail-M」(開発コード名)を搭載した小型ベアボーン。「小型」や「安価」、「手軽」といった特長を武器に、日本国内でも2014年4月に32GB eMMC搭載モデル、同年8月に64GB eMMC搭載モデルと相次いで製品を投入してきた。販売は好調ですでに1万台を超える「LIVA」が出荷されているという。

発表された新モデルは、基本的にスペックは同一だが、OSにWindows 8.1 with Bingを搭載し、ベアボーンではなく、小型デスクトップPCとして登場した点がこれまで大きく異なる。また、今回は32GB eMMC搭載モデルと64GB eMMC搭載モデルを用意した。

外観は旧モデルとほとんど変わらず。ただ、旧モデルはパッケージを開けた後、ボードをケースに組み込む必要があったが、新モデルではすでにケースにボードが組み込まれた状態で収められている

従来の「LIVA」は、CPUに加えてメモリやストレージ、無線モジュールを内蔵し、ほかのベアボーンよりも手軽に導入できるという利点があった。しかし、OSを別に用意しなくてはならず、その点で手間がかかる部分があった。

Windows 8.1 with Bingの搭載が旧モデルとの大きな違いだ

新モデルはパッケージにM@Windows 8.1のロゴが描かれている

OSとしてLinuxの一部ディストリビューションを導入することもできるが、メーカーとしてのサポートOSはWindows 8.1のみだったこともハードルを高くしていた。実際に顧客から「もっと手軽に」との声があったという。

ECSでは、Windows 8.1 with Bingについては、2014年8月に開催した旧モデルの説明会の際にも、「さまざまな面から(導入を)検討している」としていた。ただ、導入に当たってはいくつかクリアしなければならない条件があった。

その1つにWindows 8.1 with Bingは、メーカーが採用する際に、ある程度まとまった数の製品にインストールする必要がある。いくら販売が好調とはいえ、「LIVA」単体ではそのまとまった数を用意できるか不安な部分があったという。そこでECSのタブレット部門などと協力することにより、Windows 8.1 with Bingの導入が実現した。OSにWindows 8.1 with Bingを搭載することで、「LIVA」を購入し、OSのセットアップを済ませることですぐに利用が可能となった。

小型で場所を選ばないという特長を生かして、オフィスをはじめとしてさまざまな場所や用途を想定する

専用のVESAマウンタも開発中だという

価格については、32GB eMMC搭載モデルが税別28,000円、64GB eMMC搭載モデルが税別30,000円(いずれも店頭予想価格)。2014年8月に発売した64GB eMMC搭載のキットモデルは18,980円(店頭予想価格)だったので、値上げとなる。リンクスインターナショナルによると、為替の影響とサポートのコストによるものだという。

ラインナップと仕様

取扱店と店頭予想価格

LIVAを使ったソリューション例も展示

会場には「LIVA」を使ったさまざまな利用例についても展示を行っていた。

OSにCentOSを搭載してWebカメラによる監視システムの構築例

Webカメラで撮影した動画をリアルタイムでエンコードしてストレージに保存する。会場では大画面テレビに接続しての投影も行っていた

LIVAは小型PCながら画面出力を2系統備えている点も特長で、デュアルディスプレイの構築がしやすいことから、オフィスでの利用にも適しているとアピールする