NTT東西の光回線を利用した「ドコモ光」の発表や下り最大225Mbps「LTE-Advanced」の今年度末での提供など、新サービスローンチを控えるNTTドコモ。日経ビジネスが実施した「アフターサービス調査2014」によれば、携帯電話・PHSの通信会社部門でNTTドコモが1位を獲得したという。減収減益が叫ばれている中だが、ドコモショップの対応の良さ、オンラインサポートが充実していることなどはしっかり評価されているようだ。

ドコモが選ばれる3つの理由とは?

NTTドコモではここ数年、ネットワークの強化に継続的に取り組んできた。データ通信に関しては、昨秋「クアッドバンドLTE」として周波数800MHz/ 1.5GHz/ 1.7GHz/ 2GHz帯で「広さ」「速さ」「快適さ」を追求していく方針が示されている。今秋には、これを押し進めた形で「フルLTE」とする取り組みを発表。1.7GHz/ 1.5GHz帯を"LTEフルレーン"として解放し、国内最速となる下り最大150Mbpsの通信速度を実現させた。同社では2014年度中の提供を目標に下り最大225Mbpsの「ドコモ版 キャリアアグリゲーション」の開発も進めている。

今秋発表された「フルLTE」。1.7GHz/ 1.5GHz帯をLTE専用周波数として活用する

音声通話に関しては、今年の5月に次世代の音声通話技術「VoLTE」を発表。2014年夏モデルのスマートフォンから対応させた。VoLTEはKDDI(au)、ソフトバンクでも提供予定としているが、ドコモの提供開始から半年近くが経過した現在も、まだ提供されていない。2014年4月にドコモは、その音声通話とデータ通信の料金体系を一新する「カケホーダイ&パケあえる」を発表。他の2社が同様のプランで追随した。このカケホーダイ&パケあえるは、提供開始から5カ月で1,000万契約を突破したことがアナウンスされている。

2014年には「カケホーダイ&パケあえる」や「VoLTE」が発表された(写真は9月の新サービス発表会のもの)

また、ドコモでは来年2月より、NTT東西の光回線を利用した「ドコモ光」を開始する予定。携帯電話回線とセットで割引サービスが受けられる「ドコモ光パック」の提供により、利用者は月額料金の大幅な値下げが期待できる。

NTTドコモでは来年2月より、NTT東西の光回線を利用した「ドコモ光」を開始する予定

ネットワークの拡充や新たな料金プランの提供など、ここ最近のドコモの施策が、業界をリードしている。こうした姿勢が利用者に評価されているのではないだろうか。

iPhoneのキャンペーンに注力

ドコモの利用者動向を語る上で、欠かせない要素となったのがiPhoneである。同社ではiPhoneを軸にして、MNP利用者の取り込み施策に注力している。現在提供されているものには「おかえりボーナス」、「iPhone下取りプログラム」(以上11月30日まで)、「家族まとめて紹介割」(1月31日まで)があり、3つのキャンペーンを併用すると最大で43,200円の割引が得られる。また、かつてのドコモユーザーを対象とした「おかえりボーナス」も用意。これは、他社回線にMNPした利用者がドコモに戻ってくる場合、"解約時のドコモポイント相当額+10,800円"を機種購入代金から割り引くユニークな内容となっている

NTTドコモのホームページから。iPhoneを軸に、様々なキャンペーンを提供している

現在、上述の「iPhone下取りプログラム」のほか、「iPhoneボーナスパケットキャンペーン」も提供されている。これは最大13カ月間ボーナスパケットとして月に1GBが付与されるというもの。このほかiPhoneユーザー御用達のアフターサービスとして「ケータイ補償 for iPhone」も用意。月額600円で、水漏れ、全損、紛失、盗難、破損、故障、購入から1年を越えた自然故障に対応するもので、1回7,500円で最大2回までサービスを受けられる。こういったサービス内容は、購入後、3年目・4年目でも継続される。iPhoneが故障した際、全国2400店舗あるドコモショップで補償申込みができるほか、交換端末を1~2日以内に届けてもらうことも可能。こうしたきめ細かなアフターサービスを用意しているあたりも、利用者から支持される理由になっているのだろう。

(執筆:大石はるか)