イマドキの液晶テレビにはUSB HDD端子が付いていて、大容量HDDを接続すれば簡単にテレビ番組を録画できる。しかし、テレビを買い替えると、古いテレビで録画した番組は新しいテレビで見られない。現在のテレビやレコーダーは、「その録画機器だけで再生」できるような暗号化となっているため、機器を変更するとコンテンツ保護が働いてしまうためだ。

SeeQVaultブース

ライセンス16社による共同展示(ロゴは15だが東芝と東芝情報機器で二社)

SeeQVaultは対応機器とメディアの組み合わせに関係なく、対応機器であれば再生可能な規格だ。現時点の対応メディアは、SeeQVault対応USB HDDと、SeeQVault対応SDカードがある。

例えば、SeeQVault対応の液晶テレビにSeeQVault対応USB HDDを接続して録画した番組は、他のSeeQVault対応機器に接続しても再生可能だ。DTLAとDpaによる認定を受けているので、HDコンテンツをそのままの画質で保存・再生できる。

SeeQVaultのライセンス提供会社であるNSMは、2013年1月に設立され、2013年のCEATEC JAPANでも展示が行われていた。今年は16社によるブース展示となり、BDレコーダーやテレビといった家電機器だけでなく、PC周辺機器メーカーによるストレージや再生ソフトなど、より具体的な製品が多く展示されていた。

東芝は従来発売していたSDカードに加え、BDレコーダー、HDD、プレーヤーを参考展示

ソニーはSDHCカード以外にスマートフォン、タブレットでの視聴を想定したメディアサーバーを展示。DTCP-IP対応アプリで視聴できるようになる

パナソニックは4KテレビにSeeQJaultを組み込んだ製品や、BDレコーダーを展示。どちらも2014年10月中に発売される。左右にHDDがあるが、これは他社製品

メディアロジックはOEM向けのアダプタ製品を展示。どちらもよく見るとMicroSDスロットがあり、これは認証や暗号化のためにメモリカード(EMID)を使うためだ

アイ・オー・データ機器機器はPC周辺機器らしく、USB接続のSeeQVault HDDを展示。他社展示でも使われており、SeeQVault機器ならば接続性が高いことをアピールしていた。左はパナソニックの動作検証済モデル

GenesysはSeeQVault用のコントロールチップを製造している

ピクセラはWindows/Android用プレーヤーソフトを展示していた。デジタル放送と録画・再生、PC録画、DTCP-IPといった技術と製品に早くから取り組んできたピクセラだけに、技術的なハードルは高くないようだ

DigiOnはWindows用メディアサーバーを展示。SeeQVaultに記録した映像を、DTCP-IPで家庭内再視聴できるようにする