調査・マーケティングを行うイードは9月26日、日本国内の主要3キャリアが19日に発売した新型スマートフォン「iPhone 6」を用いて、通信速度実行調査を実施し、その結果を発表。全75駅中、49駅でKDDI(au)のダウンロード速度が最速だったという。本稿で詳しく紹介していく。

同調査は、2014年9月19日~9月21日に東京、愛知、大阪各都市のJR乗降客数上位75駅で実施したもの。各駅ホームにおいて、速度計測アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を使い、全端末同時に同一カ所で3回速度を測定し、その平均値を算出した。結果は次の通り。

東名阪全体の通信速度比較では、ダウンロードの数値において KDDI(au)が75駅中49駅で首位を獲得。イードは、このauの好結果の理由として、auが異なる周波数帯の電波を束ねてダウンロードの高速化を実現するキャリアアグリゲーション(CA)を他キャリアに先駆けて導入したこと、2.5GHz帯を利用したTD-LTEについても対応していたことを挙げている。

通信速度(ダウンロード)の勝数

また同調査では、全75駅の平均通信速度も算出している。ダウンロードにおいてはauがトップで平均43.17Mbpsを記録。アップロードにおいては、平均12.96Mbpsのドコモドコモがトップだった。この結果に対しイードでは、今回の調査で10Mbps以下だったのがソフトバンクは2カ所、ドコモは8カ所だったこと、auにおいては75駅すべてで10Mbps以上の数値を記録したことを挙げ、「過去の実測調査と比較しても、3キャリアのネットワークが高速化し、安定してきている」と評価している。

このほか同調査では、地域別の速度結果についても言及している。平均ダウンロード速度においてauは、愛知で48.97Mbps、大阪で43.17Mbps、東京で38.61Mbpsといずれも高い数値を記録。一方、ソフトバンクは数値の波が大きく、町田(東京)において、今回の調査の最速値となるダウンロード95.68Mbpsを記録。ただし、勝ち数は全体で11駅となっている。

平均通信速度(ダウンロード)

最後に同調査におけるau好結果の理由について考えてみたい。iPhone 6/6 Plusのネットワーク面の特徴は、従来のFDD-LTEに加え、TD-LTEに対応した点。下り最大150Mbpsのキャリアアグリゲーション(CA)にも対応した点だ。

TD-LTEについては、今回最速だったauはUQのWiMAX2+(110Mbps)でカバー。ソフトバンクもAXGPでサポートしている。一方でCAについては現時点ではauのみが対応している状況だ。またauは800MHz帯と2.1GHz帯のCA(150Mpbs)に加え、2.1GHz帯・20MHz幅においても150Mbpsの通信速度を実現。150Mbps対応基地局数も現時点で1万局を超えており、年内には2万局を達成する見込みだという。これら次世代通信規格の対応状況が、今回の調査においてauが安定して高速通信を実現した理由のひとつと考えてよいだろう。