「変わったものが食べたい」なんて言ってるあなた!! 今すぐ東京都葛飾区に足を運ぶといい。なんてったって"コーヒー+ラーメン"というトンデモびっくりメニューを提供する「カラオケ喫茶・亜呂摩」がそこにはあるのだから。はい、顔をしかめないように~、今から行きま~す。

葛飾区で37年間愛され続ける老舗喫茶店

カランコロンと入店すると、人のよさそうなマスターと店内で談笑するマダム達の顔が一斉にコチラへ。ち、ちわーす(汗)。

京成線・お花茶屋駅から徒歩5分。住宅街の路地を入ったところに在店

ご近所のマダムにも憩いの場として親しまれている

「亜呂摩」のマスター菅野床晃さんと同店ママ(奥様)の綾子さんが仲良く切り盛りする

「うちはカラオケもやってるからね、昔から近所の奥さんがみんな集まって来るの。夜までにぎやかだよ。今日は『コーヒーラーメン』食べに来たの? ホットとアイスあるけど、どっちにする?? 」。

「亜呂摩」のマスター・菅野床晃さんは御年70歳を超えるという人生とコーヒーの達人。葛飾区とブラジルとコーヒーが大大大好きで、気がつけば「亜呂摩」と共に37年も時間を共にしてきたそうだ。しかし、コーヒーラーメン、ラーメンなのにアイスとホットとは……。

「『コーヒーラーメン』には『ホット』(700円)、『アイス』(700円)、『サラダ麺」(700円)、『つけ麺』(600円)の4種類の食べ方があって、最近の人気は『サラダ麺』。定番と言えばホットかアイスだね」。

では今回は、「アイス」でお願いします!!

30年以上も昔に開発されていた「コーヒー麺」

ラーメンが届いた瞬間に鼻をくすぐるコーヒーの香り、いや薫り。ただ、そんなことに気を取られてはいけない。白濁のカフェオレスープに浮かぶはバナナ、サラミ、キウイ、ナルト。茹で玉子の上にのっかるはコーヒー豆……。さらにベーコンとスモークチーズがサイドバックをがっちりと固めている。センターには威風堂々過ぎるバニラアイスがぁぁぁ!! ジッーザッース!!

インパクトありすぎの「コーヒーラーメン」。果たしてその味は……

「コーヒー麺」は蕎麦に似た見た目と食感をしている、ただ噛んだ時の薫りはどこまでもコーヒー。アイスの場合は「カフェオレスープ」で、ホットの場合はミルクの入っていないストレートの「コーヒースープ」になるそうだ

「アイス・コーヒーラーメン」のキーマンでもあるバニラアイス。こんな形で食べることは人生でそうはあるまい

茹で玉子の上にちょこんと座るコーヒー豆、一緒にガリっとかじる。玉子との相性は悪くないのでビックリ

「見ただけでビックリするでしょ。『世の中にはこんなラーメンもあるんだ』ってことが分かってもらえたらいいんだ。『コーヒー麺』自体は30年前に僕がコーヒーを好き過ぎて何かできないかと考えて開発。商標登録も済ませてるよ。ラーメンにしたのは10年くらい前かな、ラーメンブームに乗っちゃった(笑)。普通のラーメンじゃ面白くないから色々工夫したら今の形になったんだよ、アイスを溶かしながら食べてね」。

「自分、ビビってないっス」と強気で箸をつける。ズルル、ズルルル……。うん!? うんん!!?

カフェオレスープにはほのかな苦みと甘みが混在し、若干の塩気も食べ手の好奇心と食欲をくすぐる。コーヒー麺は蕎麦に似た食感だが、噛んだ瞬間のコーヒーの薫りがパパパ……パない!! 具材の果物はパフェを連想させるが、サラミなどの塩味と混ざり、口の中が迷宮入りパニック!! ナルト&キウイなんていう凸凹コンビも、そうそうお目にはかかれないだろう。この辺りから常識は忘れて食べた方がいいかも……。

「パルメザンチーズ」と「アジシオ」を加えてみた

バニラアイスが溶けてきたスープは甘さが強くなり、よりクリーミーな味に変化する。後半はマスターもオススメの「パルメザンチーズ」と「アジシオ」を投入したところ、甘さ、辛さ、苦み、クリーミーさ、全てが混在し、もはや「味の玉手箱」どころではない!! でも箸は止まらないというナゾ。

「最初はみんなから敬遠されたんだよね。『コーヒー麺』自体は土産物として商品化してみたけど、どこのお店も置いてくれなくてさ。でも今では噂が噂を呼んで、モノ珍しさで全国からお客さんが来るようになってる。みんなハトが豆鉄砲食らった顔"するから面白いんだよね。裏メニューで『カフェまんま』ってのもあるよ」。

アナタの未体験ゾーン「コーヒーラーメン」は、「カラオケ喫茶・亜呂摩」で体験できるぞ。食べるか食べないかはあなた次第!!

店内ではお土産用にコーヒー麺だけの販売も(一袋300円)。太麺と細麺があるのでお好みで。アイデア次第で色々食べ方はありそうだが、市販のめんつゆで食べてもGood!!

(文・A4studio東賢志)