まとめと考察 - 4.2GHz前後+GPUクロックアップが有効か

ここまでオーバークロックを試した結果をまとめよう。今回購入したCPUでは、各種ベンチマークテストなどがいずれも問題なく動作するクロックは4.7GHz程度だった。設定を詰めれば4.8GHzでも可能だろう。

耐性の高いCPUを購入できれば、さらに低電圧で上の動作クロックを狙えそうだ。電圧は4.0GHzより上のクロックにした際にAUTO設定での動作が難しくなり始め、4.4GHz周辺から必要な値が大きく上がりはじめた。

4.7GHz以降は1.4V以上が必要になり、消費電力も大きく上がる。低コストのCPUを使用して電気代を大幅に増やしては本末転倒なので、CPUの耐性に合わせて、4.0~4.4GHzあたりで使用するのがコストパフォーマンスがよさそうだ。

また、CPU内蔵のグラフィックス・コアを利用するのであれば、GPUのクロックアップも有効。今回のマザーボードでは、定格電圧のままで1200MHzへのクロックアップが可能だった。3Dグラフィックス関連のベンチマーク、特にゲーム関係のスコアを向上させるには非常に有効だ。

これらの結果を踏まえると、今回使用した環境では、CPUの動作クロックを4.2GHz前後にし、GPUを多少クロックアップして使用するというのが、扱いやすくパフォーマンスを発揮しやすい設定になりそうだ。

「Pentium G3258」は2コアというスペックから、Web閲覧やメール、ビジネスアプリ、マルチメディアデータの再生などが主な用途になるだろう。動画のエンコードや写真の編集、ゲームの動作などは少々厳しい。Celeron 300Aのときのように、上位CPUとほぼ同等の性能を求めるのはきびしいだろう。

しかしクロック上昇によって処理速度ははっきりと向上する。こういったCPUの登場によって、オーバークロック、ひいては自作PCに新たに、もしくは再び興味を持ってくれる方が増えればなによりだ。そしてすでにオーバークロックで遊び倒している方は、そのノウハウを生かしてぜひ実用性を探ってほしい。新たな格安PC構成の構築にも役立つだろう。