スバル渾身のニューモデル「レヴォーグ」の体感試乗イベント「LEVORG DRIVING EXPERIENCE」が展開されている。全国7会場を巡るイベントの第1回目として、「レヴォーグ」発売直後の6月21・22日に開催された名古屋会場を訪れた。

スバル「レヴォーグ」がパイロンコースを走行

「LEVORG DRIVING EXPERIENCE」は、広大な特設コースでプリクラッシュブレーキ体感試乗・パイロンコース体感試乗に加え、高速道路での試乗もできるイベント。名古屋会場を皮切りに、東京・大阪・福岡など全国7会場で順次行われる大規模なもので、スバルが特定モデルのためにここまで大規模な試乗イベントを開催するのは異例だという。このモデルにかける意気込みを感じさせる。

1.6L車・2.0L車の両方を乗り比べられる!

名古屋会場として使用されたのは、中部国際空港内にある臨時駐車場。ここは駐車場2カ所で4,300台分の広さがあるといい、会場となったのは広いほうの駐車場で、約3,000台分のスペースといったところだろう。この広大なスペースを存分に使っての試乗イベントとは、なんとも豪華かつダイナミックだ。

プリクラッシュブレーキ体感試乗では、時速50km近い速度で壁に直進する

数メートル手前で見事に停止。斜体が前のめりになるほどの強力なブレーキングだ

車内で体験すると、テレビなどで見るのとはまったく違った迫力がある

停止後にインストラクターからの詳しい説明が。疑問点などにも答えてくれる

試乗プログラムは、「エンジョイ」「スペシャル」の2つのコースがあり、「エンジョイ」はプリクラッシュブレーキ体感試乗・パイロンコース体感試乗の2プログラムを実施。「スペシャル」はこの2つに高速道路体感試乗が加わる。ユーザー自身がステアリングを握っての高速道路走行は、スバルの試乗イベントで初の試みだという。

バックして2度目の体験もできる。かなり内容の濃いプログラムだ

プリクラッシュブレーキ体感試乗は、インストラクターの運転する試乗車に同乗し、「EyeSight(ver.3)」による自動ブレーキを体感するプログラム。会場に3台の試乗車が用意され、ほとんど待ち時間なく試乗できた。ステレオカメラで前方を認識する「EyeSight(ver.3)」では、カメラをカラー化するとともに、視野角・視認距離も大幅アップ。これにより、プリクラッシュブレーキは作動範囲が時速50kmまで引き上げられている。

実際に体験してみると、その作動はきわめてスムーズ。最大0.7Gもの減速Gを発生させるブレーキングは非常に強力でありながら、ドライバーや同乗者に過度の緊張を抱かせない。試乗参加者の中には、過去に他の自動ブレーキを体験している人もいたが、それでも「レヴォーグ」のなめらかなブレーキングには驚かされたそうだ。

続いてパイロンコース体感試乗。こちらは参加者が自ら運転し、「レヴォーグ」の走りを確かめられる。しかも参加者全員、1.6L車・2.0L車の両方を運転できるという豪華さだ。パイロンコースといってもゆるやかなスラロームと直線だけで、誰でも気軽に運転できるし、ゆっくり走っても(ある程度までなら)速く走ってもかまわないとのことだった。

パイロンコースは広々としており、安心して走れる。向こうに見えるのは中部国際空港のターミナルビルと管制塔

パイロンコースの試乗車は4台。家族や友人の同乗も可能とされた

コースには短いながらも直線があり、加速感を堪能できる

スラロームはごくゆるいものだが、それでもサスペンションセッティングの片鱗を感じられる

パイロンコースではインストラクターは同乗しない。気兼ねなくドライビングに集中できる

「高速道路体感試乗」のために待機する試乗車。この試乗車だけはボディサイドにデカールが貼られている

この試乗は1.6L車と2.0L車を乗り比べられる貴重なチャンスであり、参加者からもその点についての感想が多く聞かれた。ほとんどの人が、「1.6L車でも十分以上によく走る」と満足した様子。ハンドリングについても、「非常に軽快でよく曲がる」という意見が大多数だった。これはツアラー的な性格の強かった「レガシィ」と比較しての感想でもあったようだ。

また、300PSを誇る2.0L車の走りに感銘を覚えた人も多かったようだ。圧倒的なパワーもさることながら、「2.0L車のほうがよく曲がる」「コーナリングが気持ちいい」という意見も聞かれた。

「自動運転」に限りなく近い体験も!

最後のプログラムである「高速道路体感試乗」は、「スペシャル」に申し込み、かなり高倍率だったとされる抽選で選ばれた人だけが試乗できる、まさにスペシャルなプログラムだ。会場から高速道路に入り、トータル40分前後にわたって走行できるという。しかも高速道路上では、「EyeSight(ver.3)」による「全車速追従機能付クルーズコントロール」「アクティブレーンキープ」も体験できた。

家族連れや人数の多いグループは荷物をラゲッジに積んで出発。ドライブに出かける気分だ

駐車場敷地内から公道へ。スバルとしても、試乗イベントでここまでするのは初めてだという

この2つの機能を同時に使うことで、設定速度あるいは前走車に合わせた速度コントロールと、レーンを逸脱しないステアリングアシストが得られる。これはもう、「自動運転」に限りなく近い体験だ。

参加者からは、「凄すぎて慣れるまでは違和感があるかも……」という声も聞かれた。たしかにこれは、ある程度使い込んで初めてありがたさがわかる機能かもしれない。一方、「インターチェンジの上り坂で、改めてパワーの凄さを感じた」という率直な意見もあった。いずれにしても、40分にわたる試乗での参加者の満足度は非常に高く、試乗車から降りるときは誰もが笑顔だったのが印象的だった。

会場では、「レヴォーグ」の他に「フォレスター」「BRZ」も持ち込まれており、待ち時間などに見学できるようになっていた

「レヴォーグ」以外で人気だったのが「BRZ」。本当はこれがいいけど、家族のことも考えて「レヴォーグ」に…、という人も多いようだ

受付と待合室を兼ねるテントには、「レヴォーグ」のキャッチコピーでもある「DRIVE JPN」のポスターが。たしかに日本中を走りたくなる車だ

水平対向エンジンのカットモデルも展示。重心の低さや左右シンメトリーであることがよくわかる

2日間開催された試乗イベントでの参加者は合計400組以上。すべての試乗は同乗可能であり、カップルや家族連れで参加している人も多かったので、「今回のイベントでレヴォーグを体感した人」という意味では、おそらく1,000人を超えていたはず。今後開催される6会場もほぼ同様の定員となっているので、イベント参加者は合計約3,000組、同乗者を含めるとその数倍ということになるだろう。

すでに大量のバックオーダーを抱えているという「レヴォーグ」だが、「LEVORG DRIVING EXPERIENCE」を通じて、その人気はさらに高まりそうだ。