ダイハツ工業はこのほど、軽オープンスポーツカー「コペン」をフルモデルチェンジし、恵比寿ガーデンプレイスで報道発表会を行った。会場で公開されたのは、「コペン ローブ」「コペン X(クロス)モデル」の2タイプ。早速、実車を見学してきた。
丸目ランプ「第3のデザイン」も準備中
「コペン ローブ」「コペン Xモデル」ともに、昨年の東京モーターショーで公開されたコンセプトカーに多少修正が加えられたものの、ほぼそのままと言っていいルックスで登場。「コペン ローブ」はスポーツカーとしての躍動感や流麗さを、「コペン Xモデル」は」は新ジャンル感・アクティブ感を表現しているという。どちらも、丸目で愛らしかった先代モデルとは印象の大きく異なる顔つきとなった。
このデザインについては、先代モデルが累計約5万8,000台を販売し、女性にも支持されたという実績を踏まえ、キープコンセプトか変革かで多くの議論を重ねたそうだ。その結果、昨今のスポーツカー販売台数や若者の購買意欲といったマーケティングを踏まえ、「いままで通りのモデルチェンジをしていては、お客様に選んでいただけない」(ダイハツ工業技術本部製品企画部チーフエンジニア、藤下修氏)と、変革が決断されたという。
大きな特徴として、「骨格+樹脂外板」という構造が採用され、ドア以外の外板部分は「着せ替え」が可能となっている。東京モーターショーでは緑色の車両をオレンジに変える「着せ替えデモンストレーション」が行われて話題となったが、今回の報道発表会では、「第3のデザイン」として、先代モデルを思わせる丸目のエクステリアを準備しているとの言及があり、ランプ類の換装を含めたフェイスチェンジまでできることが判明した。
ランプ類の換装で顔つきを変えるというモディファイは、限られた趣味の世界では「フェイスリフト」などと呼ばれて人気の手法だが、まさか一般ユーザーがディーラーでオーダーできる時代が来るとは! 何種類のデザインの外装が用意されるのか、サードパーティ参入の余地はあるのか、エアロパーツはどうなるのか……、これからの展開が楽しみでならない。
ライトウェイトスポーツとしてのキャラクターも追求
このように、スタイル面での提案のインパクトが強烈な新型「コペン」だが、本来の持ち味であるライトウェイトスポーツカーとしてのキャラクターもきちんと追求されていた。パワートレーンは660ccターボエンジンに5速MTまたは7速スーパーアクティブシフト付CVTという組み合わせで、軽快な走りが期待できる。
DVVT付き660ccターボエンジンは最高出力47kW(64PS)、最大トルク92N・m(9.4kg・m)を発揮 |
音をダイレクトに楽しめるオープンカーとのことで、エキゾーストサウンドの演出にもこだわりが |
足元には軽自動車にして16インチの切削アルミホイールを純正採用。専用マフラーはサウンドにこだわり、低回転で力強く、高回転で気持ちよく響くように設計しているという。さらに内装をチェックすると、ホールド性の高いシートを採用していたり、インパネガーニッシュをカーボン調にしたりと、見た目も機能的にもスポーティというテーマ性を感じた。
現在、販売がスタートしているのは「コペン ローブ」のみ。「コペン Xモデル」は今秋発売予定、「第3のデザイン」は2015年の年央発売予定とされている。樹脂外板パーツの設定も含めて、今後の動向を注視したいところだ。